トレバー・バウアー(インスタグラムより)

旧天皇誕生日の12月23日、野球ファンに衝撃が走った。今年の日本シリーズで激突した横浜DeNAベイスターズと福岡ソフトバンクホークスの間で、電撃大型トレードが成立したのだ。

日本一に輝いたDeNAが放出したのは、2016年のドラ1左腕で、ルーキーイヤーから10勝を挙げた濱口遥大。今年のCSファイナルステージでは第5戦に先発して4回無失点の力投、日本シリーズでも慣れない中継ぎで2回1失点と、下剋上を手繰り寄せる活躍を見せた。

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対するソフトバンクは、濱口と同期のドラフト4位内野手・三森大貴を放出。今季は怪我で25試合の出場に留まったが、2022年は102試合で打率.257、9本塁打、36打点、20盗塁をマークするなど走攻守でバランスが良く、25歳と伸びしろも期待できる選手だ。 

それだけに、今回のトレードに対するファンのショックは大きい。Xでは「大型トレード」「DeNA」「濱口トレード」など関連ワードが多くトレンド入りし、その衝撃を物語っている。 

奇しくも12月23日は、1986年、3度目の三冠王を獲得した落合博満が、1対4の大型トレードでロッテから中日に移籍した日。往年の野球ファンにとっては、当時を想起するような主力級のトレードだったと言ってもいいだろう。 

特に、濱口はポストシーズンで日本一に貢献しており、放出するDeNAの思惑は理解しがたいものがある。その裏には、一体どんな意図があるのか。 

実は、DeNAがかねてより調査を進めていた元メジャーリーガーの獲得がほぼ確定した影響なのだという。 

この元メジャーリーガーが、2020年にサイ・ヤング賞を獲得し、2023年シーズンにDeNAでプレーしたトレバー・バウアーだ。 

ソフトバンクとの“バウアー争奪戦”がトレードに影響か

バウアーはサイ・ヤング賞を獲得した翌年、性的暴行による訴訟で休職措置が採られ、翌年に不起訴になるも2シーズン分の出場停止処分に。当時属していたロサンゼルス・ドジャースから退団に追い込まれ、プレーの場を求めるようにDeNAへ入団した。 

DeNAは1年で退団してメジャー復帰を目指したが、獲得球団は現れず、今季はメキシカンリーグでプレー。現在も、その去就が注目されている。 

「バウアーの本音はメジャー復帰であり、メキシコはあくまで仮面浪人。しかし、不起訴になっているものの、性暴力が厳罰なアメリカでバウアーのイメージは悪く、獲得球団は現れないでしょう。そうなれば、メキシコよりレベルが高く、神助っ人として高待遇も期待できる日本復帰が既定路線です」(スポーツ紙記者) 

その国内球団で争奪戦を繰り広げているのが、何を隠そうDeNAとソフトバンク。本サイトでもその動向を伝えているが、この争奪戦が今回のトレードに深く関わっているという。 

「両球団は熾烈な獲得競争を繰り広げているが、資金力ではソフトバンクに勝てない。そこでDeNAは、戦力になる投手を放出することで、ソフトバンクの投手陣を充実させ、バウアー獲得から撤退させる狙いもあったようです」(球界関係者) 

一方で、すでにDeNAとバウアーが水面下で合意したとの情報もある。だが、こちらもトレードとの関連性を指摘している。 

「DeNAとバウアーの契約合意は、水面下で進行していると聞きます。濱口を放出したのは、バウアー加入により、ただでさえ豊富な投手陣にさらなる余裕が出たためでしょう。三森は二塁と一塁を守れるし、牧秀悟や宮崎敏郎のバックアップ要因として、DeNAとしても補強ポイントではありますからね」(スポーツジャーナリスト) 

バウアー・三森の加入により、戦力アップが期待されるDeNA。来季は下剋上ではなく、リーグ優勝からの日本一という正攻法で連覇を達成するかもしれない。