旅行や出張で訪れた際に行く人も多い「タイ古式マッサージ」。しかし、最近は施術による健康被害が相次いで報告されている。

 12月8日に亡くなったタイの人気女性歌手、チャヤダー・プラオホームさんの死因は、脊髄の炎症と血流感染症によるものだった。現地メディアは、発症の原因が10月に受けたマッサージだと報じている。施術後に背中に痛みを感じ、その後も2度にわたってマッサージをしてもらったそうだが、症状は悪化。最終的には半身麻痺のような状態となったという。

 さらに、彼女が亡くなる前日の12月7日には、50代のシンガポール人男性が施術直後に死亡している。

マッサージ師の技量レベルが全体的に高いと言われるタイでも、実際にはピンキリ。ライセンスを持っていないマッサージ師も多い。施術をめぐるトラブルは少なくありません」(バンコク在住ライター)

 では、安心して施術を受けられる店はどのように見極めればいいのか。

タイでは、保健省など複数の政府機関が認可を出しており、そのいずれかを持っている店を選ぶこと。あとは、巨大な涅槃像で有名なワット・ポーですね。ここはタイ古式マッサージの総本山で、敷地内に学校があるんです。レベルが高く、料金も手頃。観光のついでに受けられるのでオススメです」(前出・ライター)

 また、王族向けに生まれた「ロイヤルマッサージ」という施術もあるという。ただ、こちらはヨガやストレッチ要素を含んだ典型的なタイ古式マッサージのイメージからは離れる。基本的に手のみで施術を行うので痛みはないが、お店の数は少なく料金も高めに設定されている。

「普通のタイ古式マッサージは、身体を大きく捻ったりするので筋を痛める人がいます。気を付けたいのは、背中に乗って足踏みしてくる人。これで肋骨にヒビが入ったり、折れたりするケースもあるため、不安を感じたら断りましょう」(前出・ライター)

 タイマッサージ店には、足だけのフットマッサージのコースも必ず用意されている。全身はやや不安、という方は、こちらのコースにしておくといいかもしれない。

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