ダブルスの名手パーセルがドーピング違反で出場停止!「処分を自主的に受け入れました」<SMASH>

 テニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」は12月23日に公式声明を発表し、男子ダブルス元世界ランク8位のマックス・パーセル(オーストラリア/現複12位)がドーピング違反を犯したと報告。これに伴い同選手が自主的な暫定資格停止処分を受けることを選択したと伝えた。

 同声明によると、現在26歳のパーセルはテニス反ドーピングプログラム第2条2項に定められている“禁止手段の使用”に関する規則に違反したことを認め、12月10日から暫定資格停止を開始するよう自ら要請。処分は同月12日から発効され、資格停止期間は将来的に科される可能性のある制裁期間から下されるとのことだ。

 パーセルは23日に更新した公式SNSを通じ、ことの詳細を説明。同時に違反通知を受けた時の心境を下記のように綴っている。

「本日ITIAから発表された通り、私は知らず知らずのうちに許容量の100mlを超えるビタミン点滴を受けていたため、暫定的な出場停止処分を自主的に受け入れました。先週、クリニックで受けた点滴の量が100mlを超えていたことを示す医療記録を受け取るまでは、WADA(世界反ドーピング機関)の規定に従うためにあらゆる努力をしたと確信していました。

 私はプロのアスリートであり、点滴は100ml未満にする必要があると医療クリニックには伝えていたのですが、医療記録には点滴が100mlを超えていたことが示されていたのです」
 「このニュースは私にとって非常に衝撃的でした。なぜなら、私は自分自身が常にWADAの安全基準を遵守しているアスリートであることを誇りに思っているからです。私はこの情報をITIAに自ら提供し、この状況を乗り越えるために可能な限り透明性を保ちながら対応してきました。1日でも早くコートに戻れることを楽しみにしています」

 なお資格停止期間中、パーセルはITIA加盟団体(ATP、ITF、WTA、オーストラリアテニス協会、フランステニス連盟、ウィンブルドン、全米テニス協会)または各国テニス協会が認可するテニスイベントへの出場やコーチング、観戦など全て禁止となる。

 現時点では停止期間がどのくらいになるのかは明らかになっていないが、来月母国で開かれる2025年シーズン最初の四大大会「全豪オープン」(1月12日~26日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)への出場も厳しくなりそうだ。

 24年シーズンは同郷のジョーダン・トンプソン(複3位)とのペアで9月の全米オープンを含むツアー4勝を挙げたパーセル。ヤニック・シナー(イタリア/男子1位)やイガ・シフィオンテク(ポーランド/女子2位)のケースとは少し状況が異なるように思えるが、今回のドーピング問題も色々と混乱を呼びそうだ。

文●中村光佑

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