最終決戦前後の胸中は?
──2年連続のトップバッターで「終わったと思った」とおっしゃる場面は耳にすることが多かったんですが、決勝3組(バッテリィズ、令和ロマン、真空ジェシカ)に残る前後は、どんな心境だったんですか?
くるま 最終決戦で真空はずっと確定だと思っていて、今年は真空と俺らと誰かという勝負だったんですよ。予想してたのはバッテリィズさん、ママタルトさん、トム・ブラウンさんの破壊系か、(3位をキープしていた)ヤーレンズさんか……って感じでした。バッテリィズさんに1位をとられて、しかも11点差ついた時点で、結構厳しいかなっていう感じでしたね。
──予想とはまた違ったんですね。
くるま トップバッターだったんで、その時点で超えられるだろうなと思っていましたし、大会としても超えてくれなきゃ困るとも思っていました。なんなら(後半の)エバースさん、ママタルトさん、トム・ブラウンさんにもまくられるとは思っていましたけどね。
最終決戦前は、1本目より2本目のネタが面白いと思っていたバッテリィズさんかなと思っていましたけど、結局、(最終決戦の)三番手って何年も優勝してないんですよ。年々大トリへのハードルは高くなっているなとは思います。
──バッテリィズさんは最終決戦まで間隔が空いちゃったのもあるんですかね。
くるま それもあるし、ダントツすぎるほどダントツじゃなかったのもデカいかもしれないです。今までは1位でダントツで通過して、2本目は何やっても優勝みたいな感じだったじゃないですか。今回11点差こそついたけど、1本目にそこまで絶対的な差がなかったのかなって。
出典: FANY マガジン
──ケムリさんはいかがですか?
ケムリ 自分たちの1本目の点数が高くて、1位じゃないだろうけど、落ちもしないかなとは思っていましたね。僕が見たことあるM-1の感覚で言うと、バッテリィズさんがあれだけハマって、どうせ次もめちゃくちゃウケるだろうから、相当強いだろうなとは思ってました。
──M-1のよくある「見つかる」感覚ですね。
ケムリ そうですね。
くるま その感じがありましたよね。
──勝手ながら、今回、王者になったことで、また違ったかたちでネタと向き合うことにもなるのかなと思いました。今後のビジョンはどう考えているのでしょうか?
くるま そんなに変わらないですかね。結局やれることは限られてるんで。
出典: FANY マガジン
──「劇場でしっかりネタをする」ということですか。
くるま そうっすね。正直「これ」という1本や「かたち」は見つけられなかったんで、お客さんに合わせて何か入れてみたり、台本を組み替えてみたり……。そういう戦い方をしてる先輩方っていっぱいいらっしゃるんで、その中で探りながら、劇場で面白い漫才を模索していくことになると思います。
ケムリ 新ネタをやり続けている先輩たちがいっぱいいるじゃないですか。僕らはM-1もあったから、ある程度新ネタを作るサイクルがあったけど、これを崩さないのが大事かなと思います。「寄席」と「新ネタ」と両方やることがいいふうに作用するだろうし、手を抜かないようにしたいですね。