もはや年末の風物詩となった『M-1グランプリ』(ABC・テレビ朝日系/以下M-1)が今年も12月22日に開催され、チャンピオンに昨年と同様・令和ロマンが輝きました。前人未到の2連覇の偉業を達成する一...

エースのボケに学ぶ、大切なこと



最終決戦では3票を獲得した(C)日刊ゲンダイ

 バッテリィズのエースさんのアホと錦鯉のまさのりさんのアホが違うのは、若さ以上にそのピュアさ。現代人が忘れかけていた大事なことに気づかせてくれる要素です。

「(ソクラテスを)呼んでこい、楽しませたるわ! 俺が」「生きるのに意味なんていらんねん」そんな言葉に泣かされたという哲学を学ぶXユーザーの投稿もありました。「もう誰も死なんといて」「悩みなんて寝たらしまいやから」「(親孝行より)生きとるだけでええねん」

 M-1のネタ中に叫ばれたエースさんの発言は、日めくりカレンダーにしたいくらい、聞いたものの心の中に刻まれてしまうほどの“くるもの”があります(錦鯉の意味のないバカバカしさの極みも味があって大好きです)。

 指摘・反論されたら素直に謝り、偉人の名言以上にいいことを吐き捨てるように言って「もうええわ」で漫才を終える潔さも、気持ちがいい。また、アホ全開のエースさんを包み込む、寺家さんの父親のような優しさあふれるやりとりにも胸が熱くなりました。

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俳優としても開花するか?

 一昨年のさや香、昨年のヤーレンズなど、優勝せずとも爪痕を残しテレビ出演が増えたコンビは数多くいますが、今年はバッテリィズが彼らに続くでしょう。

 個人的に、エースさんは存在だけで華があるので、今後は役者としても成功しそうな予感がします。その名の通り、2025年のエースとしてバッテリィズの活躍を期待します。

(小政りょう/ライター)