河合優実、伊藤万理華、窪田正孝ら出演決定!クズとワルしか出てこない『悪い夏』特報映像お披露目

「クズとワルしか出てこない」と話題の傑作小説を映画化した『悪い夏』が2025年3月20日(木・祝)より公開。全キャスト&特報が解禁となった。


【写真を見る】北村匠海が真面目に生きるも、気弱な性格ゆえに犯罪に巻き込まれていく公務員の姿を渾身の力で体現する『悪い夏』 / [c]2025 映画「悪い夏」製作委員会
原作は、第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した染井為人のデビュー作。真面目に働いていた市役所勤務の公務員、佐々木が、ふとしたきっかけでとんでもない犯罪行為に巻き込まれていく姿を描いていく。育児放棄寸前のシングルマザー、彼女を揺すり肉体関係を迫る公務員、裏社会の住人、生活保護の不正受給をするドラッグの売人など「クズとワルしか出てこない」と話題を呼び、累計18万部以上を売り上げた。

監督は田中圭、磯村勇斗、山田裕貴ら実力派の人気俳優たちを主演に迎え、数多くの傑作を作り上げてきた鬼才、城定秀夫。脚本は『ある男』(22)で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した俊英、向井康介。そして、主人公の佐々木守を映画、ドラマの大ヒットが続く北村匠海が演じる。真面目に生きるも、気弱な性格ゆえに犯罪に巻き込まれていく男の姿を渾身の力で体現する。

そんな佐々木を色仕掛けで犯罪へと巻き込んでゆく育児放棄寸前のシングルマザー、林野愛美を演じるのは、河合優実。「タイトルどおりの、息苦しい湿り気を持った記憶にもなっています。それくらい出会う人たちの悪意や執着の質感が生々しかったです」と撮影を振り返る。異常なほど正義に固執する佐々木の同僚、宮田有子役の伊藤万理華は、「みんな秘密にしたい欲望を抱えているんだなと分析する外向きの冷静さと、内側の自分がグラグラ揺さぶられ、良い意味で頭が痛くなりました!」と述懐。愛美を脅迫し肉体関係を迫る佐々木の先輩、高野洋司役の毎熊克哉は「共演者のみな様とは『大変だった撮影ランキングに入るよね』って話になるほど過酷なシーンをともにして、それは見事にカオスなシーンに仕上がっていました」と狂乱シーンについて言及する。

愛美の友人、梨華役の箭内夢菜は「作品の世界観と撮影現場の雰囲気はギャップがあって、とても穏やかな現場でした」と回顧し、生活保護を不正受給するドラッグの売人、山田吉男役で出演する竹原ピストルも「終盤の土砂降りの雨の中での大乱闘シーンは、ぐっちゃぐちゃの状況のなか、人間の心の奥底のぐっちゃぐちゃな部分がぐっちゃぐちゃにぶつかり合っている局面にも関わらず、どこか、美しいな、綺麗だな…という感想を抱き、とても印象的でした」と見どころを語る。

夫に先立たれ息子と2人困窮した生活から万引きに手を染め依存症のようになってしまう古川佳澄役の木南晴夏は、「香澄は非常に真面目に生きてきた女性で、まわりに頼ることがただ苦手なだけに、悲しい結末を選んでしまう。不運な役だと思いました」と自身が演じた役どころについてコメント。さらに、裏社会の住人で佐々木を陥れようと裏で糸を引く首謀者、金本龍也を演じる窪田正孝は「あの悪い夏に醜い人間たちがのたうち回るように精一杯生きていた。まるで生き血を吸うように、互いを汚し合うその無様さは、どこか美しくて微笑ましかったです。この映画をとことんまで堪能してほしい」と本作への期待が高まるコメントを投げかけている。

あわせて、クズとワルしかでてこない特報が解禁。愕然とする北村演じる佐々木のドアップから始まる本映像。真面目な公務員の佐々木がシングルマザー、愛美との出会いをきっかけに、金本らに嵌められ、闇に堕ちていく姿が映しだされる。そして、「クズとワル」のナレーションとともに豪華俳優陣が切り取られ、佐々木はなぜクズとワルによって地獄へ突き落されたのか?とストーリーが気になる映像になっている。

真面目に生きる気弱な公務員の破滅への転落と“いまそこにある”恐怖を描く『悪い夏』。続報に注目してほしい。

■<コメント>

●河合優実(林野愛美役)

「愛美の中で常にうつり変わっていくものを注意深く確かめることにとても集中力を使う撮影でした。なにか自分の中で、タイトルどおりの、息苦しい湿り気を持った記憶にもなっています。それくらい出会う人たちの悪意や執着の質感が生々しかったです。完成を観た時は、演じるみなさんの表現や各部署の素晴らしい仕事によって、その質感が鮮度を持って閉じ込められているように感じました。みなさまがどうご覧になるか、楽しみにしています」

●伊藤万理華(宮田有子役)

「宮田有子を演じました伊藤万理華です。彼女の内に秘めた強い正義感は一見すると捉えどころがなく、自分とはかけ離れた人物でした。表情が見えないため混乱することもありましたが、有子自身ももはや自分がわからなくなるくらいにただ一点を見つめていたのかもしれません。一方通行な欲が交差するどうしようもない状況のなか、守りたいものだけに目を向けて必死で食らいついた夏でした。みんな秘密にしたい欲望を抱えているんだなと分析する外向きの冷静さと、内側の自分がグラグラ揺さぶられ、良い意味で頭が痛くなりました!予想もしないこんな形で、城定組に参加できてうれしかったです」

●毎熊克哉(高野洋司役)

「僕が演じる高野は序盤からやらかしまくっていて悪い男ですが、物語が進んでいくにつれて徐々にオモシロ可愛く見えてくる不思議なキャラクターです。共演者のみな様とは『大変だった撮影ランキングに入るよね』って話になるほど過酷なシーンをともにして、それは見事にカオスなシーンに仕上がっていました。正義と欲望が絡み合って闇に堕ちていく悪い夏、どうぞお楽しみに」

●箭内夢菜(莉華役)

「莉華は、この作品の中で登場人物の運命を左右する人物であると、私は思いました。それぞれの登場人物には色々な選択肢があり、どういう生き方を選んでいくのか。導かれていくのか。捉え方も感じ方も、人それぞれだと思います。そんな、とあるひと時の『悪い夏』を生きる莉華という役を自分に当てはめながら脚本を読むことに、ワクワクがとまりませんでした。初めてご一緒させていただく城定秀夫監督と、豪華なキャストのみなさんとの共演はかなり緊張もありましたが、作品の世界観と撮影現場の雰囲気はギャップがあって、とても穏やかな現場でした。みなさんと素晴らしい作品を作り上げることができてとても楽しかったです。ぜひたくさんの方に観ていただきたいです」

●竹原ピストル(山田吉男役)

「かつてから染井為人先生のファンで、『悪い夏』につきましても、数年前に読んでいた、大好きな作品の一つでした。映画化に伴っての出演オファーをいただいた時は、こんなご縁があるとはなぁ。と不思議な気持ちになりましたし、とてもうれしかったです。僕は法を犯すようなことはしたことがありませんし、これからもしません。でも、山田のダメダメさ、だらしなさ、ブレブレさ、ヘタレさには自分自身、色濃く身に覚えがあり、悲しいかな、とても親近感を覚える人物だなと思いました。窪田さん演じる“金本”に僕が演じる“山田”はちょいちょい暴力的ないじめを受けます。そのようなシーンにおいて、段取りで数回、カメラテストで数回、同じ芝居を繰り返したのですが、そのたびに毎回、窪田さんの攻撃方法、使用武器が変わるのが面白かったです。結局、武器がフライパンに定まったところで本番のカメラが回りました。映画を鑑賞して一回目、二回目くらいではどうしても撮影中の緊張がぶり返して、そわそわしてしまいます。ですからまだフラットな心境では観れていないというのが正直なところです。そういった意味でも何度か繰り返し劇場に足を運んで、いつかどっしりとした気持ちでじっくりと楽しんでみたいです。ただ、終盤の土砂降りの雨の中での大乱闘シーンは、ぐっちゃぐちゃの状況のなか、人間の心の奥底のぐっちゃぐちゃな部分がぐっちゃぐちゃにぶつかり合っている局面にも関わらず、どこか、美しいな、綺麗だな…という感想を抱き、とても印象的でした。という風に、自分が参加していないシーンはじっくりと集中して観られました。城定秀夫監督とは、テレビドラマ『ブラックジャック』に続いて、またお世話になれたことがとても光栄でうれしかったです。どのように動いて、どのタイミングでどうする、というのを丁寧に分かりやすくご説明下さったのでとてもありがたかったです」

●木南晴夏(古川佳澄役)

「城定監督は初めてご一緒しましたが、非常に淡々とされている方という印象です。カメラワークに対する演出がとても興味深かったです。香澄は非常に真面目に生きてきた女性で、まわりに頼ることがただ苦手なだけに、悲しい結末を選んでしまう。不運な役だと思いました。車の水飛沫を浴びるシーンでは、想像以上に頭からかぶり、その激しさに戸惑いました。それがよりかわいそうに映像では映っているとうれしいです」

●窪田正孝(金本龍也役)

「悪や残酷の定義はなんなのか、もしかしたらそれは単調な固定概念なのかもしれない。あの悪い夏に醜い人間たちがのたうち回るように精一杯生きていた。まるで生き血を吸うように、互いを汚し合うその無様さは、どこか美しくて微笑ましかったです。この映画をとことんまで堪能してほしい。楽しんでいるあなたのその笑顔も、角度を変えてみればきっと悪にも見えるかもしれないから」

文/平尾嘉浩