少ない友達が傷つけられ異常な結束力が発揮された?
そんな川村被告が事件時に付き合っていたのが、一緒に逮捕された当時17歳の少年、Aだった。2人をよく知る人物が語る。
「A君も川村さんたちと同じコンビニでバイトしていましたよ。もともとはA君が一番長く働いていて、その後、川村さん、続いて八木原さんが働き出したと聞いています。
川村さんとA君は彼女彼氏の関係だし、いつも一緒にいましたね。A君は『先生がウザかったから』と高校を1年で中退し、バイト先のコンビニ近くで一人暮らしをしていました。そこに川村さんが頻繁に通っていました。
川村さんは大学行きながらめっちゃ働いていたので、その稼ぎをA君との遊びの費用に充てていたようです。『今月クレカの支払いやばいわ』というのが口癖で、イキがりたい中学生みたいな空気感がありました」
この知人は3人について、「友達が少なそうな、似たような雰囲気を持っていた」と振り返った。それだけに結束力が強い――知人の目には彼らの関係がそう映っていた。
「川村さんは明るくハキハキしゃべるギャル寄りのマイルドヤンキー、八木原さんは大人しく真面目な“陰キャ”。対照的な2人でしたね。A君も暗くはないけど学校にいたら中間層に位置するタイプで、決してイケイケではないんです。
川村さんもA君もお酒やタバコはやっていましたが、薬物に手を出したり、誰かと喧嘩したとか殴ったりしたとかも聞いたことないですよ。だから今回の事件を聞いたとき、数少ない友達が傷つけられたというところで異常な結束力が発揮されちゃったのと、イキがりたいみたいな心境が合わさってしまったのかなと……」
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「悪ふざけでは済まされない凶悪犯罪です」
事件に関与して逮捕された少年のうち、川村被告の「彼氏」というA以外は情報が公開されていないが、集英社オンラインの取材班は3人の身元を特定。そのうちの2人、C(18)とD(16)について、共通の知人はこう語った。
「事件前にCはインスタのDMで『ムカつくやつがいるからボコろう』『一緒にこないか?』と、仲間を集めていた。僕も声をかけられましたが、ガキっぽいし変に巻き込まれたくないので相手にしませんでした。
Cは、イキっているようにしか見えないすけど、一応ヤンキーで、18歳にもなって恐喝とか『まだそんなことしてるんかよ』って感じのことをしていました。解体の仕事をやっていて、その出張から帰ってきたばかりで今回の事件に関わったみたいです。Dも現場系のアルバイトみたいのやってましたよ」
義憤に駆られて取った間違った行動が、最悪の結末に向かってしまった今回の事件。少年たちが見ず知らずの長谷さんを殴るなか、交際相手の八木原被告は直接手を出さなかったものの、少年たちの暴行を笑ったり、煽ったりしていたという。さらに……
「女子大生コンビは途中、長谷さんに『カネ払え』などと脅迫してカード類を含めて身ぐるみ剥がした末に暗証番号を聞き出し、現金12万7000円を引き出して盗んでいる。そして現場近くのコンビニで食料品やタバコ30箱以上を購入し、途中でエラーが出て使用不能になるまで決済を繰り返していました。悪ふざけでは済まされない凶悪犯罪です。
道警が捜査で押収したスマートフォンの中には、長谷さんを集団で暴行する様子を映した動画も保存されています。検察はこれらの証拠から強盗目的の暴行だったことを十分に立証できるとみて、今回、少年2人の罪状を傷害致死から強盗致死へと切り替えて家裁送致したようです」(社会部記者)
傷害致死罪の法定刑は「3年以上の有期懲役」だが、強盗致死罪は「死刑または無期懲役」。家裁が調査し、刑事処分が妥当だと判断すれば、少年らにこれらの量刑が科せられる可能性もある。
前出のAの知人は集英社オンラインの取材に、こう証言していた。
「事件の数時間後、自分の友達にA君から『今日ヒマ? ラーメン喰い行こうよ』って電話がかかってきたそうなんです。友達はその日行けないからと断ると、A君は『じゃあ11月に行こう』って言ってたみたいで……。重大な事件起こしておいてすごいなって……」
少年たちが自分たちの行ないを心から反省する日は来るのだろうか。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかXまで情報をお寄せください。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班