2024年度(1月~12月)に反響の大きかった記事総合ベスト10をお届けする。第1位は、栃木県那須町で焼死体で発見された宝島夫妻の事件に関する記事だった(初公開日:2024年5月11日)。東京・上野エリアで焼肉店などを集中展開していた「サンエイ商事」社長の宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)の遺体が栃木県那須町に放置され、燃やされていた事件で同県警と警視庁の合同捜査本部(警視庁大崎署)は5月11日、埼玉県越谷市の建設業、平山綾拳容疑者(25)を殺人容疑で再逮捕した。同容疑者に加え、主犯格とみられる同社幹部社員の関根誠端容疑者(32)ら計6人が死体損壊容疑で逮捕された事件は、一気に核心に突入した。
平山容疑者を再逮捕「夫婦を殺して、燃やして処分しろと指示された」
事件は4月16日早朝、宝島さん夫妻の他殺体が那須町伊王野の林道脇の河川敷で燃やされていたのを通行人が見つけたことで発覚。
翌朝に平山容疑者が大崎署管内の五反田駅前交番に「栃木の事件に関与したかもしれない」と出頭したことから同署に合同捜査本部が発足し、捜査が急展開。関根容疑者が事件を計画し、指示役の佐々木光容疑者(28)に多額の報酬金を渡し、分け前を受け取った「仲介役」の平山容疑者が飲み仲間の元俳優、若山耀人容疑者(20)と姜光紀容疑者(20)を「実行役」として引っ張り込んだ経緯が判明している。
さらに宝島夫妻を誘い込んで暴行、殺害したとみられる品川区内の空き家を管理していた関根容疑者の知人の不動産業、前田亮容疑者(36)の存在も浮上し、捜査本部が6人を死体損壊容疑で芋づる式に逮捕していた。
このうち最も早い4月21日に同容疑で逮捕された平山容疑者は、殺害場所とみられる空き家への出入りは確認できなかったものの、計画全体を把握し、さらに殺人に関しても仲介役として実行役の2人に指示していたとみて、勾留期限に合わせて殺人容疑で再逮捕に踏み切った。
平山容疑者は指示役で「アニキ」とみられる佐々木光容疑者から「夫婦を殺し、ガソリンで遺体を燃やして処分しろと指示された」と供述しているという。
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「外車を取っ替え引っ替え乗っていて、平日休日関係なく家にいた」
事件の首魁とみられる関根容疑者は宝島夫妻の長女の内縁の夫。関係者の話を総合するとサンエイ系列店に出入りするようになったのはわずか2年ほど前だが、新規開店プロデュースの手腕などを買われて急速にグループ内で存在感を高めてきた。
「関根さんはハンサムで優しい」と証言する系列店の従業員も多く、人を懐柔するテクニックにも長けていたようだ。
「サンエイ」に食い込む前は、世田谷区成城の高級住宅街の自宅に世田谷のマダムやシングルマザーなどを連れこんでいたとの情報もあり 、そこを本店として経営コンサルティングなどを行う会社を登記していた。近隣住民がこう証言する。
「6年前だったと思いますが、関根さんが40~50代の女性とともに『引っ越してきた関根です』 と挨拶にいらっしゃいました。会えば挨拶もするし人当たりもいい方でしたが、やっぱり半袖、短パンで刺青がむき出しだったので近所で仲良くしていた方はいなかったかと思います。外車を取っ替え引っ替え乗っていて、平日、休日関係なく家にいました。その後、1年で引っ越していきました」
別の男性住民も関根容疑者をよく覚えていた。
「もちろん覚えてるよ。刺青を見せつけるようにして、半袖短パン姿でよく似たような雰囲気の若い衆2人ぐらいと家の前でたむろしちゃあ、くっちゃべってた。車はベンツのゲレンデに一番長く乗ってて、他にポルシェやベントレーにも乗っていたな。全部バラバラの地方のナンバーだったから、てっきり金貸しかなんかやってて借金のカタに押さえたのかと思っていた」
関根容疑者は近所の人には自身の仕事を「携帯コンサルタント」と説明していたという。男性住人が続ける。
「『経営』じゃなくて『携帯』だって話してた(笑)。何をしていたかわからないけど大きなトラブルを起こすわけでもなく、人間的にはフレンドリーだったよ。隣の人が車をパンクしたときも『大丈夫?パンク?』ってふらっと現れて声かけててさ」