Blackmagic Designによると、GMOインターネットTOWER内にオープンした配信もできるハイブリッド型イベントスペース「GMOグローバルスタジオ」に多数のBlackmagic Design製品が使用されているという。導入機材には、URSA Broadcast G2カメラやATEM Constellation 8Kスイッチャー、ATEM 2 M/E Advanced Panel 20などが含まれる。
GMOグローバルスタジオ株式会社は、インターネットに関する様々なサービスを提供するGMOインターネットグループのグループ会社の一つで、イベントプロデュースやライブ配信事業などを行う。同社が今年3月にオープンしたイベントスペース、GMOグローバルスタジオは3つのスタジオから成り、目的や用途によって使い分けることができる。メインスタジオであるWORLD STUDIOは、約500インチの大型LEDディスプレイを常設し、XR技術を駆使したバーチャルプロダクションも可能だ。
同社ディレクターの掛田秀悟氏は、次のようにコメントしている。
掛田氏:新型コロナの流行以降、それまで大きな会場を借りて行っていた社内イベントをすべてオンライン配信に切り替えました。初めは手弁当で行っていましたが、そのうちグリーンバックを社内の会議室に設置したり、配信スタジオを借りたりしていく中で、オンラインでも楽しめるし、限られた人数ですがオフライン参加の方も楽しめる、ハイブリッドのイベントスペースの需要に気づいて、設立したのがこのGMOグローバルスタジオです。
掛田氏:このスタジオは現在GMOインターネットグループ内のイベントや、社外向けのカンファレンス、株主総会など様々な用途で使っています。特に大きなイベントだと、社内アワードがあります。これは1年間を通して最も活躍したパートナー(従業員)やプロジェクトチームを表彰するもので、海外拠点も含めてグループ全体で7,900人を超える社員が参加する大きなイベントです。
外部のお客様向けには、設備だけのいわゆる「ハコ貸し」ではなくイベントプロデュースから当日の運営まで一貫したサービスを提供しています。
同スタジオではURSA Broadcast G2を3台使用しており、ATEM Camera Controlを使って各カメラの調整を行っている。カメラの映像やその他の信号はすべてVideohub 40×40 12Gルーターへ集約されており、そこからATEM Constellation 8Kへ送られてATEM Advanced Panel 20コントロールパネルを使ってスイッチングされる。配信にはWeb Presenter 4K配信デバイスが用いられており、ルーティングの切り替えにはVideohub Master Control Proを使用している。
同社ディレクターの佐野蔵太郎氏は機材の選定について、次のようにコメントしている。
佐野氏:スタジオを構築するにあたり、スピード感を持って作らないといけないのと、予算をできるだけ抑えた上で良いスタジオを作る必要がありました。またスタジオの用途としてB to Bの社内カンファレンスだったり、CMや映画のようなエンタメ系の撮影にも使っていただきたいという思いがありました。そういったことを鑑みて一番マッチしたのがBlackmagic Designのカメラでした。
佐野氏:URSA Broadcast G2はシネマにも対応できるし、放送や配信にも使えて、コストパフォーマンスもかなり良いです。スイッチャーに関しても、ATEMスイッチャーは他社のスイッチャーと比べてコンパクトです。イベントチームとしてゆくゆくはこのスタジオ以外でイベントも行っていくことを考慮したときに、機材の持ち出しがしやすい点を考慮してBlackmagic Designの製品を選定しました。
そのほか、映像の再生や収録にはHyperDeck Studio 4K Proを使っています。LEDスクリーンに投影する映像は、disguiseのメディアサーバーから直接出すこともありますし、HyperDeck Studio 4K Proからスイッチャー経由で出力することもあります。
先日、記者会見をこのスタジオで行いましたが、かなり画質がいいというコメントをいただきました。またXR合成も行うため、URSA Broadcast G2にRedSpyのカメラトラッキングシステムのセンサーを取り付けていますが、そのセンサーとの互換性も優れています。今後も新しい機材が出てくる中で、いろいろなメーカーの製品と繋げられるのはメリットですね。