日本各地のご当地インスタントラーメンを取り寄せ、旅行気分を体験しようという企画。今回は関西の中で特有の文化や地域性を持つ兵庫県が登場。なかなか個性が強そうな3品が集まった。
神戸、明石、播州など
様々なエリアに分かれる兵庫県
●古くから愛されてきた兵庫県民のソールフード
まずいただいたのは「播州ラーメンしょうゆ味」。播州とは兵庫県西脇市を中心とした地方を指し、そのご当地ラーメンであるこちらは、少し甘い醤油味であることが有名だ。
イトメン
「兵庫播州ラーメン しょうゆ味」
また、1945年から兵庫で営まれているというイトメンの商品とあって、その歴史に胸が高まる。出来上がりのラーメンを見てみると、これといって特徴のない、いい意味でよくある醤油ラーメンだが、さてそのお味の方はどうか。
スープからズズズといただいてみると、「なるほどー!」。昔ながらの中華そばといわれる東京の醤油ラーメンよりも、若干濃い味わいで、確かに甘い。しかし嫌な甘さではなく、ほのかに感じる程度で、これ好きな人はハマる味。
スープは透明感のある茶色。
香りから甘さは伝わらない
次は麺をズゾゾゾっといただくと、「ほうほう」。なんともシンプルというか、オーセンティックというか、懐かしい味わいが口に広がる。若干粉感が強いのもご愛嬌だ。学生時代、期末テキストなんかの勉強をしているときに母が作って部屋まで持ってきてくれたことを思い出す、これぞインスタントラーメンという味わいに涙一粒。
インスタントラーメンでよく見かける
王道的な縮れ麺
総評
ご当地感 ★★★★☆
汁の個性 ★★★★☆
麺の個性 ★★★☆☆
お土産度 ★★★☆☆
合計 14ポイント
兵庫の老舗メーカーであること、播州ラーメンという知る人ぞ知るご当地ラーメンであることから「ご当地感」は星四つだが、「麺の個性」と「お土産度」が足を引っ張り、合計ポイントは伸び悩んだ(結構、好きですけどね)。
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●ご当地食材を使用した期待度の高い一杯
次にいただいたのは「明石のりラーメン」。明石というと、明石焼きとタコがパッと思い浮かぶが、どうやら日本有数ののりの産地でもあるようだ。
西海醤油
「明石のりラーメン」
それがノンフライの特製麺に練り込まれているとのことで、乾麺を見るだけでテンションが上がる。しかもこの麺、かなり長く作られているので、茹でる前に真ん中でバキバキっと割ってから調理に入るという珍しいタイプ。作っていてもなかなか楽しかった。
のりの緑色がスープに溶け出しているのか、
不思議な色合いに
では、やはりスープからゴクゴクっと飲んでみると、「おーう」。この時点で、のりの香りがふわ~り。その直後に、かなりすっきりとした醤油味が追いかけてくる。海の香りもしっかり感じるし、いやこれ、なかなかのクオリティ。
美しいストレートの中細麺は、
のりの影響でとろみを帯びている
お次は麺をズルルルっと啜ってみると、「おほほー!」。勢いよくノリの風味が鼻の奥を吹き抜け、「マジ美味~い!」。ツルツルとした細麺の歯切れや喉越しもよく、のり&醤油味とベストマッチ。明石で見かけたら絶対に注文することを誓う、なかなかの秀作だ。
総評
ご当地感 ★★★★★
汁の個性 ★★★☆☆
麺の個性 ★★★★★
お土産度 ★★★★★
合計 18ポイント
なかなかの高得点。「ご当地感」「麺の個性」「お土産度」の三つが満点の星五つを獲得。これでスープにもう少し個性があったら。いや、贅沢はいうまい。充分美味かった。