短いオフを経て12月29日の「ブリスベン国際」(オーストラリア・ブリスベン/ハードコート/WTA500)から幕を開ける2025年の女子テニスツアー。果たして新シーズンでは誰が存在感を放つのか…。
女子ツアーを統括するWTA(女子テニス協会)は現地23日に公式サイトを更新。「2025年のトップ10候補」と銘打ち期待の7選手を発表し、その一人に大坂なおみ(世界ランキング58位)が選ばれた。
選考は女子テニス史上最も偉大なダブルスペアとして知られるレジェンド、マルチナ・ナブラチロワとパム・シュライバーの協力を得てスカウティングレポートを作成。これに基づいてトップ10候補がリストアップされた。
四大大会のシングルスで4度の優勝を誇る大坂は、22年9月の「東レパンパシフィックオープン」以降出産のために戦線を離脱。翌23年7月に長女シャイちゃんを出産するとトレーニングを再開させ、12月末の「ブリスベン国際」で復帰を果たした。最終的にシーズンを通して四大大会を含む18大会に出場。ランキングも復帰当初の833位から58位まで押し上げた。
そんな大坂に対してナブラチロワは「彼女には確かに才能がある。4つのグランドスラム(四大大会)を制したことに異論を唱えるのは難しい。特に大坂はね。充実したオフシーズンのトレーニングで、彼女がどんなプレーを見せるか楽しみだわ」と語る。
一方、シュライバーは「大坂は常に可能性を秘めているから。見ていて面白い。全盛期を彷彿させるような走りを見せてくれることを期待している」とした。
今年9月に約4年にわたり苦楽を共にしてきた知将ウィム・フィセッテとの師弟関係を解消。その後、かつて元女王セレナ・ウィリアムズを指導した名将パトリック・ムラトグルと契約を交わし、現在はさらなる進化に向けてトレーニングを重ねている大坂。
テニス選手として、また母親として、さらにはオピニオンリーダーとして、その動向が常に注目される大坂。果たして女子テニス界の重鎮が考えるような返り咲きは起こるのか。
大坂のシーズン初戦は12月30日に開幕する「ASBクラシック」(ニュージーランド・オークランド/ハードコート/WTA250)。本大会には8年ぶりの参戦となる大坂は「オークランドの自然を満喫したいし、もちろん、長い間プレーしていなかった大会でプレーするのも楽しみ」と語っている。
なお、大坂以外の「2025年のトップ10候補」には、過去最高ランク2位のパウラ・バドサをはじめ、ロシアの逸材ミラ・アンドレーワ、2021年の全米女王エマ・ラドゥカヌら、以下の6名が選出されている。
■パウラ・バドサ(スペイン/同12位/27歳)※過去最高順位:2位
■ディアナ・シュナイダー(ロシア/同13位/20歳)※過去最高順位:12位
■ミラ・アンドレーワ(ロシア/同16位/17歳)※過去最高順位:16位
■マルタ・コスチュク(ウクライナ/同18位/22歳)※過去最高順位:16位
■ドナ・ベキッチ(クロアチア/同19位/28歳)※過去最高順位:18位
■エマ・ラドゥカヌ(イギリス/同57位/22歳)※過去最高順位:10位
構成●スマッシュ編集部
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