レッドブルの苦戦鮮明だった2024年、それでもフェルスタッペンは「一度もパニックにならなかった」とチーム称賛

 レッドブルは2024年にマックス・フェルスタッペンがF1ドライバーズタイトルを獲得。ただシーズン中は苦戦する場面もあった。しかしその期間も、フェルスタッペンは決してパニックにならなかったとクリスチャン・ホーナー代表は語った。

 2024年シーズン開幕から序盤戦でレッドブルは2023年に引き続き強さを見せていた。しかしマクラーレンがアップデートをきっかけに戦闘力を上げると1強態勢は綻びを見せ、さらにフェラーリとメルセデスも猛追……シーズン中盤にフェルスタッペンは9戦連続で勝利を逃すような事態に陥った。

 なんとかフェルスタッペンは序盤のリードを活かして逃げ切ってドライバーズタイトル4連覇を達成したが、その厳しさを増すシーズン中でも、決してパニックにはならなかったという。

「まるで劇的に何かが変わってしまったようだった」

 ホーナー代表はmotorsport.comのインタビューにそう語った。

「突如として3チームが競争力を発揮し、我々は急に非常に制限を受けるような問題に直面し始めてしまった」

「その問題はコース上で起きていることとツールが相関していないというものだった。そして、そういった時こそ、ドライバーが本当に重要になってくる」

「そしてマックスは決してパニックにならなかった。厳しい時期であっても、彼はエンジニア達と長い時間を共に過ごし、気を引き締めて取り組んでいた。舞台裏ではシミュレータに時間を使い、そして車両ダイナミクスやエアロダイナミクスの専門家と『ここに集中する必要がある』『今回はここが主な問題だ』といったように話し合っていたんだ」

「ツールとの実際のサーキットで相関が取れていない時、それを最も感じられるのはドライバーだ。今年のマックスでとても印象的だったのは、いくつかの問題に対して我々が採るべき方向性について彼が発していたリーダーシップだった」

 ホーナー代表は、チームがRB20の不調の原因を突き止める必要があった時、フェルスタッペンの技術的なフィードバックがチームに重要な影響を与えていたと強調した。

「彼は何が足かせの要素になっているのか、マシンのどんな特性が彼の速い走りを制限しているのかといったことを、とてもはっきりと指摘するんだ。『ここにラップタイム(を改善する余地)がある。ここに集中しよう』といったふうにね」

「シーズン中盤には我々のツールがサーキット側とあまり相関が取れていなかった。そのため、エンジニア達が改善するために時間と労力を割き、重要なポイントを示すという、とても重要な役割を彼が果たす必要があった」

「その結果、シーズン終盤にはパフォーマンスが戻り始めたんだ」

 そしてホーナー代表は一貫性のある走りを続けたフェルスタッペンのパフォーマンスを「粘り強いドライビングと戦略、チームワークによるもの」だと称賛した。

「今年、本当に傑出していたのはマックスのドライビングだった」

「勝つことができなかった日でも、彼はポイントを稼いできた」

「彼は信じられないほどに順応性が高いんだ。そして今年彼が見せたのは、成熟さと経験の新たな境地だった。ザントフールトやシンガポールといったレースでは、勝つことはできなかったが苦労しながらもポイントを持ち帰っており、それがとても重要なものだったんだ」