1994年に就航し、日本とベトナムを繋ぐ架け橋として多くの観光客・ビジネスマンを乗せて空を駆けるベトナム航空は、今年で日本就航30周年。
この度、ベトナム航空 日本支社の支配人を務めるゴー・シー・アイン氏にインタビューさせて頂き、ベトナム航空のサービスや今後の展望などについて伺いました。
ベトナム航空と日本の未来
1994年に初就航したベトナム航空は、ベトナム・ホーチミンから大阪の関西国際空港との間で、週3便の運航からスタート。
2006年には国際航空運送協会(IATA)に正式に加盟したことで、世界的な航空会社として正式に認められたと、ゴー総支配人は語ります。
「コロナ禍前となる2019年には週81便、成田・羽田・名古屋・大阪・福岡の5都市とベトナムのハノイ・ダナン・ホーチミンを結ぶ路線で運航していました。現在は週70便、コロナ禍以前と比較して90%まで回復しています。」
と、現在の就航状況について語り、
「就航した当初はビジネス目的のお客様が多かったのですが、ベトナムへの日本人渡航制限の緩和などにより、観光での日本人のお客様の訪問もかなり増えています。また、逆にベトナムから日本へ訪れるインバウンドのお客様も増加しています。ベトナム人にとって日本は大好きな国であり、憧れを持つ方も多いことから、こちらも徐々に増えてきています。」
と、ベトナムからの渡航者も多くなっていることも教えてくれました。
日本路線を最重要マーケットの1つだと考えているベトナム航空は、積極的な投資や日本の顧客に適したサービスの改善に尽力しています。
「日本人にローカライズされたサービスを目指す過程の中で、日本人クルーの採用というのを積極的に行っています。日本のお客様への言語的なサービス、もしくは搭乗時の不安であったりといったことを解消するために、コロナ禍前であれば基本的には1便に1人は日本人クルーが乗務していました。また、機内で日本食を提供したり、ビジネスクラスでは日本食をノリタケ製の食器で提供するなど、日本の良さをビジネスクラスのお客様に味わっていただいてます。」
と説明。日本人クルーによる搭乗の案内や、日本語での音声アナウンスを実施するなど、日本人に寄り添ったサービス展開も積極的に行っていると説明しました。
大型機(B787/エアバスA350)では、全席にパーソナルモニターを用意しており、多言語対応のエンターテイメントコンテンツを楽しむことが出来ます。また、中型機(エアバスA321/320)では、今年よりスタートしたIFEシステム(インフライトエンターテイメント)によって、お手持ちのモバイル端末を専用Wifiにつなぎ、大型機とほぼ同じエンターテイメントコンテンツを楽しむことが出来るようになりました。
機内食について、ビジネスクラスでは、生春巻きやフォーなどのほか、国内線の一部路線はメニューの説明をつけたベトナム各地の郷土料理の提供を行うなど、本格的なベトナム料理を取り入れた機内食の提供を行っています。
機内食の時間から、エンターテイメントを楽しみリラックスした時間まで。全ての機内体験について、お客さまの満足いただけるサービスを意識した改善を常に行っております。
「ベトナム航空では、“ベトナムスピリット”というものを最も大切にしています。日本でも”おもてなし”という有名な言葉がありますが、それと一緒でベトナムでもおもてなしの心を持ち、マインドが似たところでサービスの提供ができていることが、日本マーケットにおけるアドバンテージだと確信しています。」
と教えてくれました。
将来的にはパーソナライズされた高品質なサービスの提供を!
「ベトナム観光局は日本のオフィスがないので、ベトナムの観光地などを日本のお客様へ紹介することは、(ベトナムの)ナショナルフラッグキャリアとしての大きな責任だと自覚しています。航空会社としての役割だけでなく、同社サブサイトの“MeetsVietnam”や各SNSを通し、今後も日本のお客様にベトナムの魅力を伝える活動を継続していく必要があると考えています。」
と、日本人に向けたベトナムの魅力などの情報発信を続けていくと語ったゴー総支配人。
豊富な海や山・川といった自然、それらの大自然の中でのアクティビティ、伝統舞踊や水上人形劇といった民族パフォーマンス、そして安全な観光地としての安心感。これらを全て兼ね備えた旅先として、ベトナムにぜひ来て欲しいという想いがゴー総支配人から溢れていました。
ベトナム航空の将来の展望について伺うと、
「昨年に続き今年もAPEXより5つ星の評価を頂きましたが、常にサービスの改善や進化を続けることが最も大切だと考えています。頂いた評価も常に通過点であると考え、お客様とのタッチポイントで不便を感じてしまわないことを常に意識するよう心がけています。また、ローカライズされたサービスの提供も継続する一方で、個人に合わせた“パーソナライゼーション”も非常に重要視しています。」
とコメント。
例えばマイレージカードのデータを元に、座席の好みや食事のアレルギー情報などを反映し、お客様に要望を伝えられる前に提供・アサインする、といった個人に寄り添ったサービスの強化を図っていきたいと教えてくれました。
不定期に行うお客様へのアンケートや現場で働くクルーたちへの意見の聞き取り、業界トレンド・他エアライン施策の調査といった、様々な手法を駆使してさらに快適に、より品質の高いサービスの提供を目指しているベトナム航空。
大都市と豊かな自然が両立し、様々な顔を見せてくれる国・ベトナム。安全性からも昨今では人気の海外旅行先となっているベトナムへ行かれる際は、ベトナム航空の旅客機で最高の空の旅を満喫してみてください。
ベトナム航空:https://www.vietnamairlines.com/jp/ja/home