全製品共通、カスタム可能なメニューが現場の作業効率を高めてくれる
全製品に共通して、独自のオペレーションシステム(ユーザーインターフェース)が採用されており、これが非常に使いやすい。
十字キータイプで解説すると、十字キーを押すとメニューが表示される。このメニューはユーザーが自由にカスタム可能で、例えば波形表示のオンオフやタイプ変更、ベクトルスコープの表示やタイプ変更、フォーカスアシスト表示など、何を表示するか、その順番をどうするかなどをカスタムすることが可能だ。
そして、このカスタムメニューはG7、T7、T5+では5個、Lilmonは8つ記憶できる。通常位表示で十字キーを左右に動かすと、このカスタムメニューが切り替わる。ちょっとわかりにくいと思うが、バンク1では、フォーカスアシストをオン、波形モニターをオン、80%ゼブラをオン。バンク2では非常に弱いピーキングだけオン。
というように、十字キーを左右に動かすことで、何を表示するかを瞬時に切り替えられる。通常のモニターであれば、それぞれの機能を個別にオンオフすることになるが、OSEEのモニターでは、左右にキーを動かすだけで、自分が使いたい機能表示が簡単に切り替えられるわけだ。
さらに、メニューがオフの場合には、上へ押すと拡大表示モードに入り倍率や拡大位置の変更ができる。つまり、メニューを開くことなく、カスタマイズされた機能表示が簡単に呼び出せるのだ。
ちなみに、デスクイーズや画質調整などの詳細設定は、十字キーを左へ長押しすることで呼び出せる。
映画のような長時間のロケの場合、バッテリー残量がいつも悩みの種になっている。そのストレスを解消してくれると言う意味ではT5+は画期的なモニターだ。カメラマンとしても、露出やピントで失敗することなく撮影ができるだけの性能も備えているし、軽いのもありがたい。
一方、ディレクター用のモニターとしてはG7かT7がいい。もちろん、17インチ以上のマスターモニターを使うべきなのだが、グレーディングすることが前提の映画制作の場合には、現場である程度の画質やピントの確認が可能であれば十分とも言えるし、波形モニターなどの測定器も搭載されているので、3000nitsの7インチがあれば、輝度が低い17インチ以上の仕事をしてくれると筆者は思うし、実際に今撮影している映画でも、G7は非常に便利である。
G7は、専用のペリカンケースタイプのハードケースが付属し、フード、AC電源アダプター、自在クランプ、モニタークランプ、Vバッテリープレートまで同梱されている。価格はアマゾンで5万円台だが、マスターモニターに匹敵する性能と付属品が付いてこの価格なのだから、驚きである。
筆者のおすすめとしては、通常のロケモニターにはT5+、正確な色を求めるならLilmon、映画用にはG7をお勧めしたい。