巨人が12月25日、楽天を自由契約になった田中将大投手の入団会見を行った。背番号は「11」、年俸1.6億円(推定)の1年契約で出来高もついた。

 田中は成績不振により楽天から3年連続で減額制限を超える大幅減俸の提示を受けていた。楽天は契約更新の意向を持っていたが、このオフの提示では年俸1億円を切ったとされ、本人は「もう期待されていないんだな」とコメント。退団を決意した。

 田中の獲得を誰より喜んでいるのが、阿部慎之助監督だ。会見の冒頭で「皆さん年末のネタがない中、今日は最高のネタが提供できて良かったです」と笑いをとり、田中も「一番熱くお声がけを頂けたので、もう迷うことはなかった」と話した。

巨人は当初、獲得には後ろ向きでしたが、阿部監督が菅野智之の代役として熱望。12月に入ってからは、まだしっかり投げられるのか球団が徹底的に調査していました。吉村禎章編成本部長も、人柄や態度などいい報告を受けたと説明していましたが、交渉にあたって金銭面で折り合わなければ、即座に降りる方針でした」(球界OB)

 阿部監督は田中のコンディション作りを、投手コーチではなく久保康生巡回コーチに託す方針という。

「久保コーチは菅野を復活させたことで阿部監督からも絶大な信頼を受けていますが、1軍には来季も2人(杉内俊哉、内海哲也)の投手コーチがいるだけに異例のこと。それだけVIP待遇ということです」(巨人担当記者)

 とはいえ、今季の田中の1軍登板はわずか「1」。田中自身、「(200勝までの)3勝で終わるつもりはない」と会見で意気込みを語っていたが、当然、それ以上の貢献が求められる厳しいシーズンが待っている。

小田龍司

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