夏が記録的な猛暑だっただけに暖冬かと思いきや、12月は日本海側や北海道内では記録的な大雪。各地で冷え込みがピークを迎えるのは1月から2月上旬で、やはり厳しい寒さとなりそうだ。
ただし、極寒の自然が織りなす、この時期ならではの冬景色があるのも事実。なかでも流氷は1月下旬から3月上旬がシーズンと言われており、オホーツク海沿岸部では一面が白い流氷で覆われている。
そんな流氷を車窓から唯一堪能できるのが、JR釧網本線。このうち知床斜里―桂台の約35キロの区間は海沿いの流氷ビュー。網走方面行きは進行方向右側、釧路方面行きは左側がそれぞれ海側となる。シーズンには真っ先にこちらの席が埋まるため、一部が指定席の「流氷物語号」(※網走―知床斜里間で2月1日-3月2日、8日、9日運行)を含め、始発駅で列車を待っておくのがよさそうだ。
記者は今年2月上旬、釧網本線で車窓からの流氷を堪能したが、車内はほぼ満席。しかも、アジア系外国人観光客だらけだった。とはいえ、景色が見えないほど混んでいたわけではなく、車内から流氷観賞や記念撮影する分には問題ないはずだ。
なお、沿線の途中駅も海に面しているため、こちらにも観光客が詰めかけていた。なかでも止別駅や北浜駅、藻琴駅は無人駅ながら駅舎に飲食店があるので旅行者には人気。特に北浜駅は展望台が設置されており、晴れた日には流氷越しに知床の山々が一望できる。
流氷接岸中、日中に流氷ビュー区間を走る列車は、通常運行の4往復に加え、流氷物語号2往復を合わせた計6往復。また、網走駅から浜小清水駅の区間には並行して路線バスも走っており、これらを上手く組み合わせるといいだろう。
冬の北海道でもオホーツク沿岸部でしか見ることができない流氷。なかなか簡単に行ける場所ではないが、一生に一度くらいはその絶景を目に焼き付けてはいかがだろうか。
(高島昌俊)
※写真は釧網本線(右側が流氷が接岸した海岸)