レアル・ソシエダにとって最悪の2024年ラストゲームとなった。敵地でセルタに0-2で完敗を喫し、欧州カップ戦出場圏内からさらに遠ざかる結果となった。
前節のラス・パルマス戦のスコアレスドローを肯定的に捉える向きが少なくなかったことに違和感を抱いていたが、もうそれが今のソシエダのレベルなのだろう。昇格2年目のラス・パルマスや近年低迷していたセルタと変わらないということだ。近年のチームに比べ、選手層が薄く、戦力も低下している。
セルタ戦に話を戻すと、確かにマルティン・スビメンディとナイフ・アゲルドという不動の主力2人が怪我で欠場するというハプニングはあった。
ただ、だからこそ不可解なのが、タケ・クボ(久保建英)がスタメンに名を連ねていなかったことだ。前節のラス・パルマス戦は低調なパフォーマンスに終始したが、こうしたサプライズでのタケのスタメン落ちは上手く行った試しがない。前回の第11節のオサスナ戦もハーフタイムを迎えた時点でのスコアはくしくも今回と同じ0―2だった。
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もちろんイマノル・アルグアシル監督は勝つことを目的に決断を下しているのだろうが、であればなおさら、このような重要な一戦で、タケ抜きで戦うことを選択するのは理解できない。
確かに2024年の5得点・3アシストという数字は、ミケル・オジャルサバルが「タケは、数字を残していかなければならないことを理解している」と語るように、物足りないものだ。とりわけ1ゴール・1アシストに終わったアジアカップから復帰した後の昨シーズン後半戦における低空飛行はチームに暗い影を落とし、実際、アルグアシル監督はオフレコで誤算の1つだったことを認めている。
再び本題に戻ると、さらに不可解だったのは、前半に2点のリードを許す苦しい展開だったにもかかわらず、タケの登場を64分まで待たなければならなかったことだ。
アルグアシル監督は流れを変えようと後半開始と同時に3枚替えを行ったが、その中にタケは含まれていなかった。そのような状況で、試合の流れを変える働きを求められても、酷な注文というものだ。
タケは両サイドに顔を出して何とか活路を見出そうとしたが、得点の匂いを感じさせたのは、77分にショートコーナーから左サイドを深くえぐってマイナスのクロスを送るも、ボルハ・イグレシアスにクリアされたシーンくらいだった。
不完全燃焼に終わった2024年を終えて、新しい年にタケに望むこと。それはあらゆる面でグレードアップを遂げることだ。頭の中にはすでにビッグクラブにステップアップする年として位置づけているかもしれないが、ソシエダでプレーし続けるにしても、移籍を決断するにしてもそれは同様だ。
先週、ソシエダはクリスマスの時期の恒例イベントとなっているスビエタを離れての公開練習を行った。今回チームが向かった先はトロサだ。グラウンドには子供たちが大挙して押し寄せ、「チームの中で誰が一番好き?」と尋ねると、「タケ!」と答える声が圧倒的に多数派だった。
タケには、輝かしい未来が待っている。ファンの人気者で、ピッチにいるだけで攻撃に怖さをもたらす。少なくともソシエダに所属している間は、その魔法を最大限に活用しない手はないはずなのだ。
取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸
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