「2024年、大ヒットしたクルマ」ホンダ『N-BOXジョイ』＆スズキ『フロンクス』の注目ポイントをプロが徹底解説【2024MonoMaxヒット商品大賞】の画像一覧

2024年ももうすぐ終わり……というわけで、1年のヒットモノを振り返るあの大人気企画が帰ってきた！ヒットモノのなかでも、特に影響力が大きかった精鋭をピックアップして編集部が大賞を決定。開発者や業界のプロに取材することで、ヒットの理由を深掘りしていきます。

この記事ではクルマに着目し、売り上げと機能を両立させた逸品だけを取り上げてみました。

クルマ離れが話題になる中でも驚異的な大ヒットを誇る二大巨頭に注目

教えてくれた人：乗り物ライター・近藤暁史さん

新型車を試しつつ、旧車も守備範囲。乗ってイジるマルチライターを標榜しているだけに、2024年もとにかく新車試乗＆レストアしまくりでした！

2024年全体を見渡すと新車のリリースがかなり少なかったという印象だ。大きなニュースとなった不祥事だけでなく、新型コロナ禍から続く半導体などの材料不足など、さまざまな要因が重なった結果ではある。新型車が出ないというのはユーザーとしても非常に残念なのだが、少ない分、各メーカーとも一球入魂、全力投球でキャラクターがハッキリとしたクルマが出揃ったという印象だ。

その中でも予想外の変化球で登場したのがスズキのフロンクスで、クーペスタイルのSUVという新鮮さだけでなく、グレードは2WDと4WDの違いのみで必要な装備は全部入り。価格は2WDで約250万円とバーゲンプライスだけに、ヒットしないわけない。インド生産ではあるが、日本の市場に合わせて、デュアルブレーキサポートなど最新の安全機能や快適機能が装備されている。

そしてもうひとつ、2024年のトレンドが軽ハイトワゴンのSUV化で、デリカミニが火を点けたと思ったらまたたく間に裾野が広がった。その真打ちとなるのがN-BOXジョイで、後発の強みを生かしてヒットしている。このジャンル、車高をさらに高くできるわけではないので、あくまでもSUVっぽい感じで、それゆえどう味付けするかは腕の見せどころ。N-BOXジョイはポップで遊び心を感じさせるデザインとしたのがヒットの秘密と言っていい。新型車が出せなくても、派生モデルで裾野を増やすというのが2024年のトレンドとして注目だ。

1. 狙うは4年連続No.1！最強軽N-BOXにジョイ登場

【2024ヒットモノ軽カー部門大賞】

ホンダ

N-BOXジョイ

￥1,844,700～2,260,500

問い合わせ：Hondaお客様相談センター　TEL：0120-112010

N-BOXならではの使い勝手のよさはそのままに、外観ではフロントまわりとホイールを中心にデザインを変更して、SUVテイストを強調している。出先でゆったりできることを重視したキャラはライバルとは一線を画す。

メガヒットのポイント①N-BOX譲りの安定した走り

走行性能はベースのN-BOXとまったく同じ。そもそも完成度が高いので、とくに変える必要もないというのが正直なところ。今回試乗したターボではホンダらしいスムーズな走りを再確認。

メガヒットのポイント②ホンダといえばチェック柄！

インパネまわりのデザインはN-BOXと同じ。シート柄はシティカブリオレなどで採用していたホンダ伝統のチェック柄で、ポップな感じ。アウトドア感を強調しすぎないのが逆に好印象だ。

メガヒットのポイント③ジョイの魅力はシートアレンジ

収納は形状も大切。後席の座面を跳ね上げれば、平らなフロアとなる。ホンダこだわりの低床がなせるワザ。子どもなら車内で立つことも可能だ。

●全長×全幅×全高＝3,395×1,475×1,790㎜●車両重量＝930㎏●エンジンタイプ＝水冷直列3気筒DOHCターボ●総排気量＝658㏄●最高出力＝47kW/6,000rpm　●最大トルク＝104N・m/2,600rpm●トランスミッション＝CVT●使用燃料＝無鉛レギュラーガソリン●燃料消費率（国土交通省審査値）WLTCモード＝20.2㎞/L※数値はN-BOXジョイターボFF