今年9月、集英社オンラインのインタビューで、「銀座に来てから、お客様以外の男性とは肉体関係を持っていない」と堂々と発言して話題となった銀座の高級ナイトクラブ『ル・ジャルダン』の望月明美ママ(59歳)。20歳で銀座で働き始め、31歳で同店を開業し、次々と店舗を拡大。そんな敏腕ママの奔放な発言に対して、ニュースサイトのコメント欄は「絶対にお得意さんとは寝ますよね。そうでなきゃ、男性が大金を払うわけない」などと大いに荒れた。望月ママが、銀座クラブの枕事情を語った。
「寝たからって大金を支払ってくださるほど、簡単な世界ではない」
前回のインタビューでは、今年10月に公開された映画『ル・ジャルダンへようこそ』などの話を聞いた。秋吉久美子や鈴木砂羽なども友情出演したその映画の反響はどうだったのか?
――映画制作にはご出資もされて挑んだということで、反響はいかがでしたか?
上映回数は14回だったのですが、すべてほぼ満席ということでした。あら、大成功〜! と思いきや、『ル・ジャルダン』には在籍ホステスが140人いて、その子たちが毎日お客様を連れて見に行ってくれていたので、ほぼうちの女の子とお客さんで埋まっていたのかもしれません(笑)。
――それは逆にすごいです(笑)。
14回のうち、8回も別のお客さんと行ってくれた子がいましてね。その子は11月に売上No.1となり、ものすごい数字を叩き出してくれて…。やっぱり売れる子というのは、そういうマインドなんですよね。お客様をうまくお誘いして、何度も観た映画でも、まるで初めて観るかのように感動したり、あるいはお客様と一緒に楽しんだり。
――前回の記事で、銀座の「枕事情」的なことにも触れていただきましたが、あの記事へのお客様からの反響は?
銀座のお客様たちって社会的な成功者じゃないですか。そういう人たちって、アンチや嫉妬を全身に浴びてきた人が多いんですね。だからこう、炎上している望月、批判を浴びている望月の姿を見るのは大好きみたいで(笑)。みなさん褒めてくださいましたよ。
――どんな方が、どのように褒めてくれたのですか?
それこそ、某偉い政治家さんとか、上場企業の社長さんたちは「いい記事じゃないか」と。記事に対し炎上しているコメントに関しては「アンチ上等じゃん、目立って良かったね」って。
お褒めくださった方たちはちゃんと記事を読んでいるので、「書いてる内容は真っ当なこと言ってるし」と。だいたい、ああいう炎上コメントをされる方は、ほとんどがタイトルしか見ていなかったり、斜め読みだったりするじゃないですか。
――そういう人たちは確かに多いかもしれません。
「そりゃ客と寝るでしょうね。じゃなきゃ男性は大金を払わない」なんてコメントされてる方もいました。でもお言葉ですが、残念ながら寝たら大金を支払ってくださるなんて、そんな簡単なお客様は少ないです。銀座のお客様方は、お金に不自由しているわけでもなく、女性の身体にも困っていません。そもそもお金を出して買える女性の体は安いんですから。
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再来年の9月に向けて再び映画にチャレンジしたい
――また燃えそうなお言葉を…。では、銀座の女性の価値とは?
ピカソやバンクシーの本物の絵は「億」の価値がありますよね。銀座の女性のエッチはその制作工程にも似ていて、その価値を作り上げる「ストーリー」が大事なんです。お金を払ったらやらせてくれるだけのエッチは安い。
大切なのは、お客様に「俺を理解して、俺を好きになって愛して、禁断の、俺だけにその身を委ねる」という“オンリーワンの体験”をさせること、しかもそれは“一点もの”だというストーリーをいかにお客様に見せられるか、というところなんです。
――なんだか深い話です。それが前回もおっしゃっていた、「銀座はお客様に夢を見させる場」ということですか。
そうです。勘のいい女の子だと、中小企業の社長さんをひとりつかむと、同クラスの中小企業の社長さんのお客様が増える。開業医のお医者様をつかむと他のお医者様のお客様もつかめる。
これはどういうことかというと、勘がいいとそれぞれの立場に立つお客様の肝とも言えるこだわりの部分の理解度が高まり、心をつかみやすくなるということなんです。これって単に、一度や二度、寝ただけではつかめるものではないのです。
――この前、望月さんがおっしゃってた「銀座のお客様としかエッチしてません」の真意はなんでしょうか。
「枕営業」というのは、「業務上でお付き合いのある人間同士が性的な関係を築くことによって、物事を有利に進めようとする営業方法」だそうですが、単に営業的な意味合いでお金を使ってほしくて関係に至ったわけではありません。
私は17歳で水商売に入ってきまして、その前はバスケット部に所属するごく普通の高校生でした。田舎の女の子が銀座のクラブにやってきてみたら、お客様方があんまりにも格好良くてスマートでキラキラと輝いて見えました。心から惚れて、お付き合いさせて頂いたという感じです。
――今年はどんな年だったでしょうか?
7店舗目となる新店舗もオープンできましたし、ずっと夢だった映画の制作と公開ができたのは何よりでした。ただ、映画は内容的にかなり男性目線の実話誌的な感じで、映画ファンの方からは「物語がベタすぎ」「音楽もひどい」「自主映画か!」と酷評をいただきました。来年はお店の30周年なので、再来年の9月に向けて再び映画にチャレンジしたいなと。
――また映画ですか(笑)!
日本のクラブって独自の文化で面白いと思うんですよ。Netflixさんは日本独自の企画に目を光らせていると言いますし、次はNetflixを目指したいです(笑)。
――年末年始はどう過ごされるのでしょうか。お客様とハワイとか…?
いえいえ、28日まで営業して、その後は家で本を読んだり映画を観たり、あとは新作の小説の続きも書きたいし。家でゆっくり過ごします。
銀座のぶっとびママの挑戦は今後も続く。
取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班