元日・日本武道館大会での一騎打ちを控える中邑真輔と佐々木憂流迦が27日、都内で共同会見。中邑が「プロレスごっこ…中邑真輔ごっこでもやってんのか?」などと辛らつな挑発で余裕を漂わせた一方で、純白スーツの“白装束”で現れた憂流迦は「腹を切る覚悟で」と終始ピリピリムード。その対称性が際立った。
2年ぶりのNOAH参戦に向けて“帰国”を果たしていた中邑が、いよいよ会見にも登場。WWEで返り咲いたUSベルトを片手に、コスチュームと似た配色の着流し姿で颯爽と現れた。
グレート・ムタやアンダーテイカーを思わせる怪奇派テイストを加えた“新境地”へと足を踏み出し、変化の真っ只中にいる。「キャリアも20年以上、WWEに在籍して8年、ここに来てもまだまだ自分が変化できること。自分が意図しようがしまいが。一挙手一投足、一歩進めるたびに変化を感じられることにある種楽しさを感じながら。“今”を楽しんでいます」と自身の現状を詩的に“らしく”語った。
一方の憂流迦は純白のスーツ姿で登場。表情は明らかに緊張感にあふれ、中邑とも視線を合わせない。
「僕が経験してきたキックボクシング、柔術、ムエタイ、MMA、武術…すべてプロレスに落とし込んで、その首元に噛みついてやろうと思ってます。シンスケ・ナカムラのワンサイドゲーム、憂流迦は負ける。そう思われてると思いますけど、そんな風にはならない。かならず勝ちに行って、叩き斬ろうと思います。プロレス・スタイルをここ何ヶ月か集中してやりましたけど、格闘スタイルは出してないんですよ。1月1日に、どこまで落とし込めてるかは分かると思いますよ」とプロレスラー・佐々木憂流迦と元UFCファイター・佐々木憂流迦の集大成を全身全霊でぶつけることを誓った。
感情表現が苦手で、それをプロレスラーとしての課題と受け止めてきた憂流迦。中邑戦に向けてもそんな悩みを打ち明けていたが、中邑は「戦前から『情緒不安定だ』などと再三に渡ってハードルを、期待値を下げるような発言をしていたようで。ここにきてやっと覚悟が決まったかなと感じてはおりますが、どうでしょうね」とチクリ。憂流迦も「(気持ちの)整理なんてとっくについてますね。前回後楽園でキンシャサを出して、あそこで決裂してるんで」と“応戦”した。
確かに憂流迦は12・19後楽園大会で中邑ばりに“たぎって”からのキンシャサを披露。ところが中邑は「Xでのクリップをみましたよ。“そういう選択肢”をとるのかと落胆をしまして。なんというか…フッ…プロレスごっこ?…中邑真輔ごっこでもやってんのか?と。ひとつイラッとする感情の動かされ方をした…ってことで好意的に受け取っといてやろうかなとは思いましたね」と“安易”とでも言いたげに、皮肉たっぷりで挑発した。
言葉のトゲを浴びても、この日の憂流迦は動じず。「もう腹は決まってるんで。見て分かる通り、白一色なんで。腹を切る覚悟で。それぐらいの覚悟を持たなきゃ戦えない相手ですから。腹を切る覚悟でいきます」と心頭滅却。
2022年の元日武道館「グレート・ムタvs中邑真輔」に衝撃を受けてプロレス挑戦を決めた憂流迦。あれから2年が経って実現する夢の一戦がもたらすのは、初夢か、それとも悪夢か。
【会見の模様】
▼憂流迦「隣にシンスケ・ナカムラがいます。はっきりいって中邑真輔のことは好きです。ただプロレスラー、シンスケ・ナカムラのことはメチャクチャ嫌いっすね。ここに来るまでホントに心にグサリグサリとクドクド言われて嫌な気持ちでした。だから1月1日、僕が経験してきたキックボクシング、柔術、ムエタイ、MMA、武術…すべてプロレスに落とし込んで、その首元に噛みついてやろうと思ってます。シンスケ・ナカムラのワンサイドゲーム、憂流迦は負ける。そう思われてると思いますけど、そんな風にはならない。かならず勝ちに行って、叩き斬ろうと思います」
▼中邑「再び元日の日本武道館、王者として立てることひじょうに光栄に思っております。以上です」
――なぜ憂流迦の名前が出なかった?
▼中邑「本日やっと思いの丈を聞けましたが、戦前から『情緒不安定だ』などと再三に渡ってハードルを、期待値を下げるような発言をしていたようで。ここにきてやっと覚悟が決まったかなと感じてはおりますが、どうでしょうね。リング上でどういう立ち振舞いをするのか。楽しみかな…とは一瞬感じました」
――悩んでいたようだが気持ちの整理はついた?
▼憂流迦「整理なんてとっくについてますね。前回後楽園でキンシャサを出して、あそこで決裂してるんで。そしてプロレス・スタイルをここ何ヶ月か集中してやりましたけど、格闘スタイルは出してないんですよ。1月1日に、どこまで落とし込めてるかは分かると思いますよ」
――中邑選手自身、変化の最中のようだが、どんな戦いを描いている?
▼中邑「キャリアも20年以上、WWEに在籍して8年、ここに来てもまだまだ自分が変化できること。自分が意図しようがしまいが。一挙手一投足、一歩進めるたびに変化を感じられることにある種楽しさを感じながら。“今”を楽しんでいます。2年前に(憂流迦を)僕が誘い込んだことになってはいますが、憂流迦と対戦できるのも自分が生きてきた中での大きな物語の一つ、運命…とまでは言いませんが『あれがきっかけになったんだ』っていう面白さも、僕のなかでの変化の一つとして感じて、楽しんでおります」
――変化している中邑の姿をみてどんな印象を?
▼憂流迦「見てますからね。この時に触れられることは僕にとってはとても光栄ですし、僕にとっては本当にご褒美なので。ただ、それを『やったー』って甘んじて受け入れるつもりはないんで。ある意味、研究しやすいとは思いますよね。見てきてるんで。僕は出してないので。どこまで今できるか。僕のほうにアドバンテージはあると思いますけど、本当に覚悟をもって臨もうと思います」
――憂流迦は格闘スタイルというワードを用いていたが?
▼中邑「スタイルはスタイルなんでしょうが、戦いは戦いなので。魅せる魅せない。それ以前の問題なのかなとも思いますね。先日の後楽園で、たぎってキンシャサをやったと。Xでのクリップをみましたよ。そういう選択肢をとるのかと落胆をしまして。なんというか…フッ…プロレスごっこ?…中邑真輔ごっこでもやってんのか?と。ひとつイラッとする感情の動かされ方をした…ってことで好意的に受け取っといてやろうかなとは思いましたね」
――中邑からの言葉を聞いて?
▼憂流迦「もう腹は決まってるんで。見て分かる通り、白一色なんで。腹を切る覚悟で。それぐらいの覚悟を持たなきゃ戦えない相手ですから。腹を切る覚悟でいきます」