男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。

早く子どもを産みたい



自分も早く…(写真:iStock)

「ジュンジは前妻との間に、息子がひとりいるんですよ。だけど私には婚歴がないし、とにかく早く結婚をして子どもを産みたいんです。

 その話ももちろん私からジュンジには伝えているので、彼だって私の気持ちは理解しているはず。

『君が産みたいなら産めばいいよ』と言ってくれていたので、彼も賛成していると思うんです。なのに、なんで離婚してからすぐに行動に移してくれないのか。

 本気でイラつきますし、私が彼の離婚までずっと我慢して待ち続けた時間はなんだったのか…」

 話しているうちに、ヒートアップして感情が溢れ出す瑠奈さん。まわりの友人たちは出産した人が多く、自分も早く落ち着いた生活を送りたいと切望しています。

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お金に余裕がないから?



養育費が理由なの?(写真:iStock)

「多分、ジュンジは前妻に養育費を払っているので、そこまでお金に余裕がないのでしょうね。

 それが結婚に進めない最大の理由だと思います。でも私はジュンジと結婚できるなら、そんなに裕福な生活じゃなくてもいいって納得して今の選択をしました。

 不倫の末の結婚だから、結婚式だって挙げるつもりはないです。それに、私だってフルタイムで働いています。ダブルインカムならこれからの生活だってなんとかなるでしょう?

 子育て支援も今はどこの自治体も手厚くなってきているし。そんなに不安がらなくてもいいじゃないですか」

 経済的に苦しくても、結婚して子どもが欲しい旨は瑠奈さんからジュンジさんへ何度となく伝えたのだそう。

 ところが、ジュンジさんはそのときには納得した様子を見せるものの、入籍の話になるとのらりくらりとはぐらかすばかり。そんなやりとりを繰り返しているうちに、気がつけば半年以上の月日が流れてしまったと瑠奈さんは言います。