女性歌手(画像はAIで生成したイメージ)

毎年、年越しとともに視聴率が話題となる『NHK紅白歌合戦』。同番組が「年の瀬の風物詩」と呼ばれたのは今や昔の話だが、生放送番組なだけに日ごろは見られないアーティストたちのパフォーマンスに加え、お茶の間に届いてはいけないハプニングも多く放送されてきた。

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今回は、視聴者らのド肝を抜いた伝説の事件、放送事故スレスレの危ないパフォーマンスをプレイバック!

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紅白歌合戦は、1963年(昭和38年)の放送で81.4%の歴史的視聴率を記録。以来80年代中盤までは60~70%台の視聴率を獲得してきたが、このイケイケ状態のさなかに視聴者に大きな衝撃を与えたのが「ちあきなおみのぶっ壊れ事件」だった。

当時、ちあきはすでに『四つのお願い』や『喝采』などのヒットで紅白の常連となっており、8度目となる1977年(昭和52年)に楽曲『夜へ急ぐ人』を引っ下げて出場。その際に衝撃パフォーマンスを繰り広げ、お茶の間を凍り付かせたのである。

「この歌はちあきのオファーを受けてシンガーソングライターの友川カズキが書き上げたものだが、『カンカン照りの昼は怖い』『正体あらわす夜も怖い』と歌詞がとにかくおどろおどろしかった。しかも、当日のちあきは赤と黒の衣装でカメラをにらみつけるうに熱唱。サビの『おいで おいで』という部分でした手招きはまるでホラー映画の“貞子”のようで、鬼気迫る感じだったのです」(古参の芸能記者)

この戦慄パフォーマンスは、類まれな表現力から「劇場型歌手」と呼ばれた彼女の真骨頂だったとも言えるが、司会を務めていた山川静夫アナは「なんとも気持ちの悪い歌」と苦言を呈したほど。また、テレビを見ていた幼いころのナンシー関(コラムニスト・2002年に死去)は「ちあきなおみが壊れちゃった」と驚愕したという。

白塗りで「受信料払いましょう!」

一方、ちあきとは対照的に行き過ぎたおちゃらけぶりで世間から大バッシングを浴びたのが、1982年(昭和57年)放送回にサザンオールスターズの桑田佳祐が起こした「三波春夫なりきり事件」だった。

「この年サザンは『チャコの海岸物語』を披露したが、その際に桑田が三波春夫をまねた派手な着物姿で登場。しかも顔は白塗りで、歌うときにも演歌調のコブシを効かせ、揚げ句の果てに『お客様は神様です』『受信料は払いましょう!』などとのアドリブを挟んだため、NHKに抗議の電話が殺到したのです」(同)

ちなみに、桑田は後日NHKから謝罪文を要求され、ここでもひと悶着。“お灸”を据えられたからか、翌年の出演以降、しばらく紅白から遠ざかることとなった。

しかし今ではNHKの公式HPに掲載されている「紅白歌合戦ヒストリー」で、「『チャコの海岸物語』を奇抜な衣装で歌い話題を呼んだ」と紹介されているほど。2018年の『第69回紅白歌合戦』では、35年ぶりにNHKホールで生歌唱を披露した。