12・31代々木大会のアジアタッグ選手権試合「ライジングHAYATO&安齊勇馬vs宮原健斗&井上凌」へ向けた会見が28日、東京・アートホテル日暮里ラングウッドで行われた。
バックステージ襲撃など手段を選ばず井上が再挑戦をアピールし、大みそか興行で10・29帯広大会以来、2ヵ月ぶりとなるアジアタッグ再戦が実現することになった。打倒・安齊に執念を燃やす井上は12・15君津大会における前哨戦で新技・プリンスキラー(変型ダブルレッグロック)で安齊をあわやのところまで追い込み、試合後にはイスで襲撃して優位に立った。
今年はアジアタッグだけでなく、世界ジュニア王座にも挑んだもののベルト獲りならず。「どのみちあと一歩というところで獲れなかったっていうのが多いから、今年最後、アジアタッグを大みそか、ケンと一緒に獲って、それと同時に安齊勇馬、お前を潰す」と通告した井上は「初めて出したわりにはいい感じだったよ。今、またプリンスキラーも練習してるわけだからね。もっともっと精度が上がってるよ。だから当日が楽しみだ」とプリンスキラーによる安齊狩りに自信を見せた。
パートナーの宮原は勝てば鈴木鼓太郎と組んで第95代王者に君臨して以来、約10年ぶりのアジアタッグ戴冠となる。もし敗れれば、無冠で2025年を迎えることになるが、最高男はそんなつもりなどさらさらない。この日はファン観覧の公開会見で「大みそかでアジアタッグベルトを獲り、そして年を越し、2025年、世界タッグベルトをスミス(デイビーボーイ・スミスJr.)と獲り、そして三冠ベルトを巻く。そう、スーパースター宮原健斗がベルト総獲りです」との青写真を披露して拍手を浴びた。
王者・HAYATO&安齊は2度目の防衛戦。「前回の防衛戦を北海道でやって、その時はちょっと楽しかったです」とV1戦を振り返った安齊だが、「ただ、一回食べて味がしなくなったガムをもう一回噛まないみたいに、あの時の試合以上の井上さんはない」と断言。プリンスキラーに関しても「追い込まれたように見えただけですね。別に焦りもないですし。名前がプリンスキラー? プロレス界でよく何とか殺しとか何とかキラー、耳にしますけど、だいたいそういうのって実際に破壊したからつける名前ですよね。別に破壊されてもいないですし、名前負けした技だなと思ってます」と徹底的に見下した。
一方、HAYATOも「レスラーには変わる時がある。俺はそうだったんだよね。でも、井上凌の変化じゃまだこのアジアタッグは獲れないよ」とキッパリ。むしろ自らが変化をもたらすつもりで、「レスラーが変わって、みんなが変わって、世界が変わる。そうしてレスラーはどんどん強くなっていく。それを俺と宮原健斗で見せてあげるよ」と最高男の首に照準。「俺の思ってた宮原健斗とは、どこか一回り小さく感じるよ。初めて俺の世界が宮原健斗を食うかもね」とけん制すると、2025年へ向けて「欲張りなことを言わせてもらうと、世界タッグとアジアタッグをかけたダブルタイトルマッチがやりたいね」と描いた。
会見終了後、写真撮影も終わると、井上が仕掛けた。王者組が集まったファンへ向けてポーズを決めていると、井上がイスで安齊、HAYATOを次々に殴りつけた。宮原の制止を振り切った井上は止まらない。イスを押しつけたり、投げつけたりと安齊の右足を徹底攻撃した。プリンスキラーへの布石であることは言うまでもない。タイトルマッチは3日後。安齊の右足の具合が気がかりだが、井上のアジア獲りと安齊狩りが現実味を帯びてきた。
【会見の模様】
▼井上「自分自身、今年をさかのぼると、いろんなタイトルに挑戦してきたわけだけど、どのみちあと一歩というところで獲れなかったっていうのが多いから、今年最後、アジアタッグを大みそか、ケンと一緒に獲って、それと同時に安齊勇馬、お前を潰す。以上だ」
▼宮原「あらためまして、全日本プロレス宮原健斗です!(場内拍手) いよいよプロレス界の大みそか、ゼンニチ大晦日が迫ってきました。そこの舞台でアジアタッグベルトに挑戦する。非常にワクワクしています。宮原健斗がアジアタッグを巻くことになれば、何が起きる始まりなのか? 皆様、想像がつきますか? 特別に僕の頭の中のプランを少しお教えしましょう。大みそかでアジアタッグベルトを獲り、そして年を越し、2025年、世界タッグベルトをスミスと獲り、そして三冠ベルトを巻く。そう、今の宮原健斗、スーパースター宮原健斗がベルト総獲りです。(無反応だったため)もう一度言いましょうか? ベルト総獲りです(場内拍手) 大みそか期待してくれ」
▼HAYATO「一つだけ後悔してることがあるんだよね。バックステージで襲われた程度で井上凌に2回連続挑戦させること。あの時は頭に血がのぼってた。けど、それがないと挑戦できなかっただろうから、井上凌のレスラーとしての肌感はすごいね。ほめてあげるよ。レスラーには変わる時がある。俺はそうだったんだよね。でも、井上凌の変化じゃまだこのアジアタッグは獲れないよ。レスラーが変わって、みんなが変わって、世界が変わる。そうしてレスラーはどんどん強くなっていく。それを俺と宮原健斗で見せてあげるよ」
▼安齊「全日本プロレスの安齊勇馬です。まず今回、2024年最後の試合となる代々木第二体育館、ゼンニチ大晦日でこうしてタイトルマッチができるのは素直にうれしいです。ただ、相手が井上凌&宮原健斗組。HAYATOさんの言った通り、バックステージコメントで襲われて、上等だ、受けてやるって判断しましたが、先ほどの意気込みを聞いて、大したコメントもなく、あの時もっと冷静な判断をしておけばよかったと思っています。前回の防衛戦を北海道でやって、その時はちょっと楽しかったです。ただ、一回食べて味がしなくなったガムをもう一回噛まないみたいに、あの時の試合以上の井上さんはないと思うので、今回のこのアジアタッグ、ずっと応援してくれた皆さんを笑顔にするために勝って防衛したいと思います」
――このまま無冠で2024年を終われない?
▼宮原「もちろんそうですね。どこに行っても宮原健斗ベルト巻いてませんよねって言われる生活も、そろそろ僕にマックスに来てますから、そろそろこのアジアタッグを皮切りにベルト総獲りのプランを実行したいと思ってます」
――12・15君津大会における前哨戦で安齊選手を足関節でギブアップ寸前に追い込んだように見えたが手応えは?
▼井上「初めて出したわりにはいい感じだったよ。今、またプリンスキラーも練習してるわけだからね。もっともっと精度が上がってるよ。だから当日が楽しみだ」
――安齊選手から「一回食べて味がしなくなったガム」と言われたが、今、安齊選手に対する感情は?
▼井上「すかしてるのは相変わらずだなって感じだけど、いろいろフラストレーションは溜まってるけど、もう12月31日にそれを持っていこうかと思ってます」
――安齊選手、その足関節の感想は?
▼安齊「さっき発言されたように、追い込まれたように見えただけですね。別に焦りもないですし。名前がプリンスキラー? プロレス界でよく何とか殺しとか何とかキラー、耳にしますけど、だいたいそういうのって実際に破壊したからつける名前ですよね。別に破壊されてもいないですし、名前負けした技だなと思ってます」
――HAYATO選手は宮原選手狙いということ?
▼HAYATO「そうだね。どんな形にしても俺が変わるきっかけとなった宮原健斗。プロレス界を見渡しても俺と宮原健斗ほど自分の世界を持ってるレスラーはいないと思う。ただ、俺の思ってた宮原健斗とは、どこか一回り小さく感じるよ。初めて俺の世界が宮原健斗を食うかもね」
――これに勝利すればアジアタッグ王者として2025年を迎えることになるが、描いている防衛ロードがあれば?
▼安齊「僕はチャンピオンとして、挑戦してくる人は誰でも受けるという思いがあるので。そして誰が来ようと負けないつもりなので。2025年に限らず、その先もずっと俺とHAYATOさんがアジアタッグチャンピオンということは変わらないと思ってます」
▼HAYATO「欲張りなことを言わせてもらうと、世界タッグとアジアタッグをかけたダブルタイトルマッチがやりたいね」