[高校選手権・1回戦]帝京(東京B)2-1京都橘(京都)/12月28日/国立競技場
「絶対に負けられない」
試合後、力強く語ったのが帝京のGK大橋藍だ。伝統校の守護神には、この全国の舞台で負けられない理由があった。
帝京は12月28日、第103回高校選手権の開幕戦で、京都橘と国立競技場で対戦し、2-1で勝利。接戦をものにして2回戦へ駒を進めた。
注目の開幕戦に先発したGK大橋は、相手に守備陣の背後を取られた際も、タイミングの良い飛び出しでピンチを防ぐなど最少失点に抑え、チームの勝利に貢献した。
そんな大橋は、膝の怪我を抱えながらプレーしていた。現在は完治に向かっているというが、試合中には痛みもあったと言う。
「試合中、何回か痛かったときもあったけど、壊れてもいいっていうのが、自分の中にあった。止めれないのが自分は一番悔しいですし、チームにも迷惑かかるので、行くだけ行って壊れたらもうしょうがないって感じやるしかないと」
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「最後なので本当に壊れてもいいと思ってるんですよ」と何度も口にした“最後”とは、この大会を最後にサッカーを引退するということだ。高校卒業後は大学に進学し、柔道整復師を目ざす。
志したキッカケは自身が怪我をした際に、柔道整復師の方のサポートがあったからだ。
「もともと、サッカーは高校入ったときからやらないと決めていた。自分は身長もなくて、大学で通用するのかなっていう思いで高校に入って、やっぱり高校でも現実を見た。いっぱい大きい選手がいたり、身体能力が高い選手がいて、大学では通用しなくて、高校生ならギリ頑張れるかなっていう感じでやっていたときに、怪我をしてしまったんです。
(怪我をした時は)もう自分のサッカー人生は終わったのかなという感じだった。2日間ぐらい寝れなかったり、考えすぎて泣いたりもして。選手権まできて、ここで終わるんだっていう思ったんですけど、1人の柔道整復師の方が自分に寄り添ってくれて、自分なら行けるよと毎日のように言ってくれた。それで本当に励まされて、心の支えになった。それがなかったら自分は今いないと思ってるんで、国立で恩返しっていうか、結果で返したい」
将来の夢は柔道整復師として、再び帝京高校サッカー部に関わること。それに向けてまずは、「いろんな人の思いを背負いながら頑張りたい」とこれまで支えてくれた多くの人のためにも、絶対負けない強い信念を持って、選手権制覇を目ざす。
取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
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