【全日本】ジュン宣言「俺が三冠王者になって全日本を引っ張っていく」、スミス予告「DOOMではなくI LOVEゼンニッポンで終わる」 三冠戦会見

 12・31代々木大会の三冠ヘビー級選手権試合「デイビーボーイ・スミスJr.vs斉藤ジュン」へ向けた公開会見が28日、東京・アートホテル日暮里ラングウッドで行われた。

 斉藤ブラザーズが史上初の世界タッグ王者による最強タッグ全勝優勝を成し遂げた12・8後楽園大会。王者・スミスに勝利したジュンが挑戦を表明し、大みそか三冠戦が決まった。

 決戦が3日後と迫ったこの日、両者がそろっての公開会見が行われた。ジュンは2・20後楽園大会で第71代王者・中嶋勝彦に敗れて以来、10ヵ月ぶり2度目の三冠挑戦。「あれから俺もいろいろ経験しているし、今はさらにパワーに満ち溢れているから、もっと自信がついている。そして、それが力になり、結果に繋がるだろう」と自信も深まるばかりだ。タッグ完全制覇を成し遂げた今、ジュンが求めるのはシングルの結果と勲章。「2024年は全日本プロレスが最高に盛り上がった。そして全日本プロレスがプロレス界でさらに上にいくために、俺が三冠チャンピオンになって…そう、今年はDOOMで締めてやる」と宣言してみせた。

 すでにレイとの斉藤ブラザーズは全日本の顔となった感があるが、三冠王者となれば、その重責がこれまで以上にかかることになる。もちろんジュンはそれを全うするつもりだ。今年、上昇カーブを描いた全日本の勢いをさらに加速させるためにも「俺はまだまだ満足はしていない。もっともっと盛り上げていく」と誓い、「この俺、斉藤ジュンが三冠チャンピオンになって全日本を引っ張っていってやる。来年2025年は俺についてこい」と言い切った。

 対する王者・スミスは11月の三冠初戴冠から2ヵ月近くが経過して初防衛戦を迎える。思い入れの強い全日本の至宝ベルトを手にしたことで「このタイトルを保持することはこの団体のトップということだ。今まで以上に闘争心、モチベーション、ファイティングスピリットみたいなものがさらにレベルアップして、さらに責任感も持っているし、戦う本能がさらに増したような気がするね」と“三冠効果”を実感している。

 ジュンとは8・3仙台大会以来、約5ヵ月ぶりの再戦。前回は苦杯をなめ、打撃の強烈さを体感。最強タッグ優勝戦では「俺のバックドロップを食らっても、かなりタフでスタミナがある。相当効いているとは思うが、それでも立ち上がってくる」と舌を巻いた。だからこそ「かなり過酷なハードな防衛戦になると思っている。もしかしたら4カウントを狙いにいかなければ勝てないぐらいの試合になるかもしれない」と覚悟している。

 そこでスミスの大きな力となるのが全日本ファンの愛だ。昨年大みそかの初参戦から1年、その存在が認知され、今や三冠王者として「I LOVEゼンニッポン!」と叫ぶ姿は全日本ファンからも愛されるようになった。「全日本のファンからの愛も凄く感じるようになった」と実感するスミスは大みそかへ向けて往年のドリー・ファンク・ジュニアの試合を研究。そして歴代三冠王者で最も尊敬する故・三沢光晴さんばりのエルボーに活路を求めるつもり。「この愛がつまったエルボーが俺の勝因に繋がるだろう。愛があればあるほどこのエルボーも強くなっていく」と言い切ったスミスは「ハードな試合になるとは思うが、最終的にはDOOMではなく、『I LOVEゼンニッポン』で終わるつもりだ」と予告してみせた。

 2024年の掉尾を飾る大みそか代々木決戦。締めるのは王者の「I LOVEゼンニッポン」か、それとも挑戦者の「DOOM」か。今年最後の三冠戦のゴングはもうすぐ鳴り響く。

【会見の模様】

▼ジュン「斉藤ブラザーズ兄の斉藤ジュンだ。2024年、今年の全日本プロレスは最高に盛り上がった。だが、俺はまだまだ満足はしていない。もっともっと盛り上げていく。そのためにも隣に座っている、この強いチャンピオンからベルトを引きはがし、この俺、斉藤ジュンが三冠チャンピオンになって全日本を引っ張っていってやる。来年2025年は俺についてこい。デイビーボーイ・スミスJr.、DOOM」

▼スミス「今年はデイビーボーイ・スミスJr.にとって非常にいい年だった。三冠タイトルも獲ったからね。今回が初防衛戦になるわけだが、この試合に備えて、いろんなことを考えているが、かなり過酷なハードな防衛戦になると思っている。できれば打撃戦はちょっと避けられれば避けたいと思っている。今回はドリー・ファンク・ジュニアの昔の試合を見て、いろいろ勉強させてもらった。三沢(光晴)選手も右ヒジが武器だった。それは俺も持っているものだ。下になっても亀の状態になるかもしれないが、ただの亀ではなくスッポンになって、上に乗られても何とか返して、こっちから攻撃していく。ハードな試合になるとは思うが、最終的にはDOOMではなく、『I LOVEゼンニッポン』で終わるつもりだ」

――三冠初戴冠から2ヵ月近くが経過し、三冠王者としてどんな思いで戦ってきた?

▼スミス「以前から闘争心はもちろん持っているし、いつも頑張ってリングに上がっているが、このタイトルを保持することはこの団体のトップということだ。今まで以上に闘争心、モチベーション、ファイティングスピリットみたいなものがさらにレベルアップして、さらに責任感も持っているし、戦う本能がさらに増したような気がするね」

――三冠ベルトへの思い入れも増したのでは?

▼スミス「やっぱり三冠チャンピオンになったからには責任感が増したし、それが大事だと思う。それに忍耐力というのを持たなければいけない。俺も長い間、このチャンスを待っていたからね。それに関しては斉藤ジュンも同じだと思う」

――スミス選手の全日本愛は強いが、全日本ファンからの愛も感じる?

▼スミス「そうだね。全日本のファンからの愛も凄く感じるようになった。その愛をこの右腕にしっかり閉じ込めて、12月31日、この愛がつまったエルボーが俺の勝因に繋がるだろう。愛があればあるほどこのエルボーも強くなっていく。ファンの愛も感じながら、これからも頑張るよ」

――三冠王座に2度目の挑戦になるが、前回以上に自信があるのでは?

▼ジュン「前回の試合も自信はあったんだが、あれから俺もいろいろ経験しているし、今はさらにパワーに満ち溢れているから、もっと自信がついている。そして、それが力になり、結果に繋がるだろう」

――今年、タッグでやれることをやり尽くしたが、最後の最後にシングルで結果を残して新年を迎えたい?

▼ジュン「斉藤ブラザーズで今までタッグ屋でやってきているからな。シングルでは俺も弟もなかなか結果を出せていないから、それが三冠となれば最高の形でさらに上にいけるだろう。さっきも言ったが、2024年は全日本プロレスが最高に盛り上がった。そして全日本プロレスがプロレス界でさらに上にいくために、俺が三冠チャンピオンになって…そう、今年はDOOMで締めてやる」

――スミス選手には8・3仙台大会でシングル対決し、勝利しているが、前回と比べて三冠王者になってから脅威に感じるものは?

▼ジュン「最強タッグの試合を見ていると、三冠ベルトを手に入れてから責任を感じている。前より動きもよくなっているし、さらに関節技とかグラウンドも強くなっているし。さっき打撃はあまり受けたくないとか言っていたが、逆に俺はスミスのペースに持っていかれないように、俺のいいところを出して、こちらのペースをつかんでいきたいな。チャンピオンの思い通りにはならないぜ」

――前回、敗れているが、ジュン選手の警戒すべき点は?

▼スミス「けして恐れているわけではないが、打ち合いをした時にそれが正しい選択ではなかったと今振り返ると思うね。ハードな打ち合いだったので、それを避けるのと、仙台でオクラホマスタンピードを狙いにいったときに、かなりウェートのある選手なので、自分のダメージもあって右ヒザをケガしてしまい、それも敗因の一つのポイントになったかと思う。そのあとのジャックハマーもかなり強烈だったので、そのへんは気をつけないといけない。彼はタッグにおいても、かなりいろんな技を食らっても、俺のバックドロップを食らっても、かなりタフでスタミナがある。相当効いているとは思うが、それでも立ち上がってくる。最終的に俺のブルドッグボムになるのか、もしかしたら4カウントを狙いにいかなければ勝てないぐらいの試合になるかもしれない。最終的には必要なことをやって、勝利を収めたいと思っている」

――2025年、三冠王者として全日本をもっともっと盛り上げるとのことだが、言える範囲で描いているものがあれば?

▼ジュン「描いているものはたくさんあるな。だが、それはすべて俺が勝ってからにならないと話にならないから。まずは三冠チャンピオンになってからだ。話は全部それからだな」