日本はもはや後進国? このショッキングな話題でフジテレビ系朝の情報番組「めざまし8」が沸騰した。金融系シンクタンク関係者が説明する。

「内閣府が12月23日に発表した報告によれば国際的な豊かさの目安となる日本の23年の1人あたり名目国内総生産(GDP)は3万3849ドル。これはOECD加盟38カ国中22位で、比較可能な1980年以降で最も低い順位でした」

 現在、大統領の弾劾裁判で大荒れの韓国は、日本より1つ上の21位。2年連続で日本を上回った。番組では大阪大学社会経済研究所・堀井亮教授を招いて解説した。

「堀井教授は、『この数字は日本人1人当たりの収入が韓国より低いということだ』と説明したうえで、下がった背景として、日本は韓国に比較してIT技術導入に規制が多く、技術進歩が停滞して効率化が遅れたことが大きいと指摘していました」(夕刊紙記者)

 堀井教授の説に加え、同番組のゲストコメンテーターである社会学者の古市憲寿氏は「韓国より個人GDPが下がっているのは日本の高齢化率が大きいため」と指摘。GDPが大きくても、働いていない高齢者が多いと個人GDPは下がるからだ。
 
 また古市氏は「日本は90年代までうまく行き過ぎてインターネットの波に乗り遅れた」とし、高齢者が増えた現在、マインドセットするのは難しいと私見を述べた。

 これに反応したのが、同じくコメンテーターのカンニング竹山だ。竹山は二階俊博元自民党幹事長の政界引退会見を持ち出し、記者から「引退は高齢化が理由か」と問われ「お前もその年がくるんだよ!」と捨てゼリフのように言い放ったことを踏まえ、「古市くん、いま言ってるけど、俺たちもすぐ高齢者だからね。みんな高齢者のこと言うけど、いずれみんな高齢者だから。高齢になったとき幸せに暮らせるためのことを考えないといけない」と指摘し、周囲から妙に納得を得ていたものだ。

 しかし、経済アナリストはこう言う。

「問題は日本の社会が、高齢者がITなどをリスキリングする社会的構造が十分整っていないことがネック。要は1人でできることを4人も5人もでやっている。韓国ではこれを1人でやり、残りの人はIT技術をリスキリングして、さらに別の仕事をするから個人GDPは上がる。日本も社会構造を大胆に変え規制緩和すれば、再び上位に躍り出ることも可能だ」

 そういえば前出・堀井教授も「古市さんの指摘のように高齢者の方が増えても、最近日本は女性の労働参加が増えている。女性の力を活用し技術が伸びれば、日本も一度差はつけられたがまだ追いつける可能性はある」と指摘していた。

 いずれにしても、まずは経済大国という過去の栄光をかなぐり捨て、一から這い上が覚悟が必要のようだ。

(田村建光)

 

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