2025年シーズンの開幕戦として現在行なわれている男女混合のテニス国別対抗戦「ユナイテッドカップ」(24年12月27日~25年1月5日/オーストラリア/ハードコート)に、ギリシャ代表として出場している男子世界ランク11位のステファノス・チチパス(ギリシャ/26歳)が大会前のインタビューに回答。
その中で先日行なわれた男子テニス20歳以下の優秀選手によるシーズン最終戦「Next Gen ATPファイナルズ」(12月18日~22日/サウジアラビア・ジッダ/屋内ハード/FIN)を制した18歳の新鋭、ジョアン・フォンセカ(ブラジル/世界ランク145位)を大いに称賛した。
例年通り4ゲーム先取(ゲームカウント3-3でタイブレーク)での5セット方式や、ノーアドバンテージ(デュースなし)など通常のツアー大会とは異なる特殊ルールで行なわれた「Next Gen ATPファイナルズ」。ブルー・グループとして参戦したフォンセカはラウンドロビン(4名ずつに分かれて行なう総当たりの予選)を3勝0敗で突破すると、準決勝では第6シードのルカ・バン・アッシュ(フランス/同128位)に4-2、4-2、4-1で快勝。
そして決勝では同じブルー・グループで24年シーズンにチャレンジャー(下部大会)3勝を挙げた19歳のラーナー・ティエン(アメリカ/同122位)と対戦し、2-4、4-3(8)、4-0、4-2の逆転勝利を収めて大会初優勝を達成。同時にカルロス・アルカラス(スペイン/現3位)とヤニック・シナー(イタリア/現1位)に次いで史上3人目となる18歳でのネクストジェンファイナルズ優勝を成し遂げた。
チチパスとフォンセカは共に出場した今年6月のツアー大会「テラ・ウォルトマンオープン」(ドイツ・ハーレ/芝/ATP500)で交流。チチパスはフォンセカに「ネクストジェンファイナルズで優勝する前から大きな可能性を感じていた」ようで、「数カ月以内に素晴らしい結果を出す選手になると確信していた」とも語る。その上で期待の18歳に向けた称賛の言葉をこう続けた。
「今回の(ファイナルズ)優勝は彼の道の始まりにすぎないと思う。彼のランキングはこれからさらに上がっていき、大きなポテンシャルを発揮し続けるだろう。彼の活躍をとてもうれしく思う。とても謙虚な人柄で、それが一番印象的だった。地に足をつけた姿勢と、目標に向かう決意を見たとき、心を打たれた。その性格を保ち続ける限り、次の数シーズンで大きなことを成し遂げると思うし、そうならない理由は見当たらない」
世界のトップシーンで活躍し続けるチチパスもフォンセカに大物感を感じ取っていたのかもしれない。今を時めくティーンエイジャーのさらなる飛躍を期待したい。
文●中村光佑
【動画】18歳のフォンセカが優勝した2024年「Next Gen ATPファイナルズ」決勝ハイライト
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