何で書こうと文章はテキストデータの集合体に過ぎない。しかし、人のこころを動かす文章を書こうと思うなら、良い道具を使いたい。HHKB(Happy Hacking Keyboard)と一緒に使うべく作られた、松葉製作所の亀甲名栗木製パームレスト&キーボードルーフ (ウォールナット)は、ユーザーの心を豊かにしてくれる。

亀甲名栗木製パームレスト&キーボードルーフ (ウォールナット)

https://www.pfu.ricoh.com/direct/hhkb/hhkb-option/detail_kbrf-palm-knw.html

HHKBにピッタリフィットする便利さ

以前のパームレストに続いて、今度は亀甲名栗木製パームレスト&キーボードルーフ (ウォールナット)を試した。

松葉製作所の一生モノ『亀甲名栗木製パームレスト80mm』を試す

2024年04月18日

HHKBと一緒に使うことで、持ち運びの時にキートップを守ると同時に、使用時にはパームレストになるという実用性と、モノとしての美しさを兼ね備えた逸品だ。

価格は3万6000円と安くはないが、HHKBを使う限りずっと使える一生モノの逸品と思えば高すぎるということはないだろう。

最大の特徴は、この亀甲名栗の模様。

以前も書いたが、この亀甲名栗の模様はノミ(鑿)や、チョウナ(釿)で、木材を削った時にできる削り跡を活かした加工のことなのだが、古い家だと柱や、門扉などに使われていることがある。

筆写が子供の頃に住んでいた実家には、この亀甲名栗を使った柱があり、この模様を見ると懐かしい気持ちになる。

前回ご紹介したパームレストと違って、この製品は、裏側が箱状になっていて、HHKBのキーボード部分のフタとして利用できる。

HHKBにかぶせてみると、ピッタリフィットで実に気持ちいい。

幅広の輪ゴムが付属しており、これを使うとそのままバッグなどに入れることができる。

ちなみに、HHKB Studioにも使えなくはないが、ちょっとキートップが高いようで、キートップに当たってキーボードルーフがわずかに浮く。使えなくはないが、フィットする……とは言い難い感じ。

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2 Wayの便利さと、名栗の心地よさ

パームレストとして使うとこんな感じ。

キーボードをカバーする前後長があるので、少し長いように思うが、机の広さに問題がなければ、これはこれで快適。ゆとりをもって仕事をすることができる。

工芸品といってもいいようなクオリティのパームレストで原稿を書くと、なんだか名文が書けるような気がしてくれる(笑)名文になるかどうかはわからないが、良い道具を使って快適な仕事環境を作るのはよいことだ。

フラットな天面だと、手のひらにくっつくような感じがすることがあるが、名栗の凹凸がかえって手のひらに心地よい。平滑より凹凸がある方が使い心地がいいこともあるのだ。

雪と組み合わせるとこんな感じ。ウォールナットは墨の方に似合う気がする。雪に組み合わせるなら、ブラックチェリーの方が合いそう(名前にブラックと付くが、桜の木なのでこの製品よりもっと明るい色だ)。

キーボードルーフとしても使えるし、パームレストとしても使えるという一挙両得の製品ながら、名栗には工芸品の風格さえ感じる魅力がある。

これを持って温泉旅館にでもカンヅメになって原稿を書きたいものである。

(村上タクタ)