『STARDOM DREAM QUEENDOM 2024』両国国技館(2024年12月29日)
スペシャルシングルマッチ 安納サオリvs岩田美香×
安納が今年5度目の一騎打ちとなる岩田と喧嘩腰の熱闘を展開。最後は巧みに丸め込んで勝利したものの、完全決着とはならず、抗争継続となった。
安納と仙女所属の岩田は今年5度目の一騎打ち。2月に仙女のリングにおいてノンタイトル戦で対戦するも時間切れドローに。6月にスターダム代々木大会でワンダー王座を懸けて再戦に臨んだが、安納が敗れて白いベルトを失った。7月には仙女のリングでワンダー王座のみならずセンダイガールズワールド王座もかけて3度目の一騎打ち。安納が雪辱を果たし、二冠王となった。しかし、その後、安納はワンダー王座を失い、9月に仙女のリングで岩田に敗れて、センダイガールズワールド王座からも陥落した。
1勝2敗1分と負け越した状態の安納は、岩田との関係を終わらせるべく、年末の両国大会で一騎打ちを熱望。昨年、ワンダー王座を獲得した思い出の地で決着戦に臨んだ。
ゴング直後から激しい打撃戦に。安納がビンタを連打したものの、岩田は強烈なトラースキックで蹴り倒して先手を取った。鋭い蹴りを次々に叩き込むと、クロスフェイスで拷問する。しかし、安納もジャーマンで逆転。両腕クロス式スリーパーで絞め上げて巻き返した。エプロンに逃れた岩田を場外に蹴落とすと、自らもあとを追い、場外フィッシャーマンズスープレックスで追撃する。またもジャーマンを決めると、エルボーを連打。一歩も引かない岩田は強烈なハイキック2連発で両者大の字に持ち込んだ。
2人はぎらついた目でにらみ合い、真っ向からエルボーや頭突きを何発も打ち合う。岩田はリングに座り込んだ安納の胸板をローキックで連続して射抜くと、ランニングニーをズバリ。負けじと安納もロコモーション式フィッシャーマンズスープレックス、ジャパニーズオーシャンスープレックスから得意のタンタンドルを繰り出した。岩田が沈まないとみるや、喧嘩腰にストンピングを連打。引かない岩田はカウンターの右ストレートで殴り倒す。
岩田はバズソーキック、トラースキックで連続して蹴り飛ばすと、必殺の雷音(変型ファイヤーサンダー)で突き刺した。あえてフォールにはいかず、連発を狙う。背後に不時着した安納はポテリングで丸め込んだものの、キックアウトした岩田はすかさずランニングニーを発射。しかし、勝負を捨てない安納は背中合わせで組み合うと、横に崩してからスペシャルポテリングで押さえ込み、逆転の3カウントを奪った。
敗れた岩田は安納と視線を合わせるが、自分から外して花道を下がっていく。安納はその後ろ姿を見送った。
一応の決着がついたことで、岩田は「今日の戦い方で、あいつがどんだけその言葉に覚悟があったのかっていうのは、なんか伝わった気がするけど」「私は安納サオリに負けた。2024年捧げてきたもの、すべて白紙になったんだろ。今日戦って、私はすげぇ楽しかったよ」と素直な思いを口にした。
しかし、勝利した安納が目の前にやってきて「岩田は私に悔しさも憎らしさも嫉妬も愛も全部、全部伝えてくれる。でも、そこに耐えきれへんかったの、私。私のワガママやった」と吐露すると、岩田は「私に1つだけワガママ言わせろよ。2025年も私は、岩田美香はお前の前に現れる。お前をずっと見てる。だからお前も岩田美香のことだけ見てろよ、まだまだよ」と抗争継続を明言。安納も「同じ景色はイヤや。目の前に現れるんやったら、立つんやったら、今以上の景色見せないとイヤ」と条件づきで応じた。
実に5度の一騎打ちで気持ちをぶつけ合ってきた安納と岩田だが、お互いの思いは収まらず。2025年はどんな“新しい景色”を見せてくれるのだろうか。
【試合後の安納、岩田】
▼岩田「2024年、私は安納サオリに捧げたと言っても過言じゃねえ。やりあって、高め合ってきたと私はずっと思ってた。でも、なんだ。最後の最後に終わらせてえのか。ビックなプレゼントじゃねえか。でも、今日の戦い方で、あいつがどんだけその言葉に覚悟があったのかっていうのは、なんか伝わった気がするけど」
※ここで安納が現れて、岩田の前に立つ
▼岩田「そんなに終わらせたかったんだろ。いいよ。終わったよ。私は安納サオリに負けた。2024年捧げてきたもの、すべて白紙になったんだろ。今日戦って、私はすげぇ楽しかったよ」
▼安納「岩田は私に悔しさも憎らしさも嫉妬も愛も全部、全部伝えてくれる。でも、そこに耐えきれへんかったの、私。私のワガママやった。ホンマにずっとこの1年」
▼岩田「私はお前のワガママ散々聞いてきたよな。今日戦って、やっぱ思ったことあるよ。私に1つだけワガママ言わせろよ。2025年も私は、岩田美香はお前の前に現れる。お前をずっと見てる。だからお前も岩田美香のことだけ見てろよ、まだまだよ」
▼安納「同じ景色はイヤや。目の前に現れるんやったら、立つんやったら、今以上の景色見せないとイヤ」
▼岩田「あたりめえだろうが。まだまだ続けるぞ」