製造年によってレアな貨幣があるという話を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。

■製造年の刻印があるのは硬貨だけ?

Sirabee編集部が全国の10代〜60代の男女731名を対象に実施した調査では、全体で8.5%の人が「貨幣にだけ製造年の刻印がある理由を知っている」と回答した。

なお男女別に見ると、男性は8.7%、女性は8.5%という結果になっている。

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■年によって金属の含有量が変わるため

なぜ貨幣だけに製造年の刻印があるのか。その問いの答えは、日本銀行券の製造を行う国立印刷局の公式サイトに記載されている。

それによると、昔の貨幣は金や銀などの高価な金属から作られており、製造年によって中に含まれる金属の量がかなり違ったという。そうなると、何年に作られたものであるかによってその品位(価値)が違ってくる。

金属でできた貨幣は何十年という長い間使用されるため、その価値を明らかにするために製造年を刻印するようになり、その名残で現在も製造年を刻印しているそうだ。

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■戦後の混乱期が貨幣の品位に影響

現在は、各貨幣の品位には規定があるが、10円貨と5円貨の品位には幅がある。これは、5円貨が誕生した昭和23年、そして10円貨が現在のデザインとなった昭和26年当時、戦後の混乱期で材料の品位や含有量にバラつきがあったからだという。

造幣局では摩耗や汚損などで流通しにくくなった貨幣を溶かし、材料としてリサイクルしており、そうした品位にバラつきのある貨幣も再利用されることから、現在でも幅を持たせて管理しているということのようだ。

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■発行された年によって希少なものも

また、貨幣の品位とは別に発行された年によって希少価値がつくケースもある。記念コインはもちろん、当該貨幣の発行数が少なかった年のものは額面よりも高く取引されることもある。

「ギザ10」と呼ばれる昭和32~33年に発行された10円貨は、利用されたもので額面の3~7倍、未使用のものであれば4000~5000倍になることもあるという。

財布に入っている時点で未使用ということはないだろうが、知らないうちに希少な貨幣を手にしているかもしれない。初詣で賽銭を入れる前に、手元にある貨幣を調べてみてはいかがだろうか。

(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結

【調査概要】

方法:インターネットリサーチ

調査期間:2024年10月8日~2024年10月13日
対象:全国10代~60代男女731名 (有効回答数)