来年1月20日、いよいよ第2次トランプ政権がスタートする。トランプ氏は第1次政権で、自身の政策に異議を唱えた閣僚らを次々と罷免したこともあり、今回起用した閣僚は、いかにトランプ氏に忠誠心を持ち、政策を忠実に実行するであろう者だけを選んだとされている。そんな中、肩書はないものの、ホワイトハウスでは大統領執務室のすぐ近くにデスクを用意されるなど、全米メディアから「今最もトランプに近い人物」と注目を浴びているのが、「美人すぎる側近」として話題の女性広報、ナタリー・ハープ氏だ。
ハープ氏はいつ、いかなる場所でもトランプに付き添い、持参する携帯用プリンターで最新のニュースを印刷し、トランプ氏に手渡すことから、口さがないメディアからは「人間プリンター」などと呼ばれているが、
「トランプ氏も77歳。目が疲れやすくなっことで、すべてのニュースに目を通すことができなくなった。そこで、SNS投稿やニュース記事の中から彼女が取捨選択し、その記事だけをトランプ氏に手渡しているようですが、彼女はもともと熱狂的なトランプ支持者。なので、トランプが知りたい情報だけを選んで手渡す一方、本人が目にしたくない情報は意図的に無視していると言われます。そのため間接的とはいえ、政策決定に関与できる立場にいることから、一部には懸念の声もあがっているようです」(政治部記者)
米メディアの報道によれば、カリフォルニアの保守的なクリスチャンの家で生まれたハープ氏は、バージニア州の福音派大学であるリバティー大学でMBAを取得。卒業したのち、2020年からは、トランプ支持する極右ケーブルチャンネル「ワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク」でアンカーを務め、22年にトランプ氏のコミュニケーションチームに参加したと言われる。
「実は、彼女は大学を卒業後、骨がんを発症しステージ2であると診断されたものの、18年に当時大統領だったトランプ氏が署名した法律により、がん治療の選択肢が広がったことで治療が成功。以来、トランプ氏を命の恩人と崇拝するようになり、保守系のケーブルテレビ局に出演したのをきっかけに陣営の目に留まり、トランプ氏本人との個人的な関係を築くようになったようです」(同)
そんなこともあり、ハープ氏はトランプ氏に対し手紙で、「あなたは私にとっての全て」「あなたを絶対にがっかりさせたくない」「私の人生の守護者」と伝えた、との報道もあり、トランプ氏にとっても彼女は、まさに同氏が求める「絶対的忠誠心を持つ人間」ということになる。
「だからこそ、トランプ氏もハープ氏の献身を高く評価しており、イデオロギー的に一致しているとして、彼女に対する思い入れは相当強い。それが、彼女のデスクが大統領執務室のすぐ近くに用意されるという特別待遇につながった。政権内部ではこれまでの『トランプにSNS上の投稿を見せるためには、ハープを通じてアプローチすればいい』という声から、次第に『ハープを侮るな。過小評価したら大変なことになるぞ』というトーンに変わってきていると言われます。政権発足後は、トランプ氏本人に直接アクセスできる距離にいる彼女に対し、様々な国や機関からアプローチがあるかもしれませんね」(同)
それがロシアなのか、中国なのかはわからないが、首席補佐官クラスの力を持つ彼女に、各国首脳陣からも熱視線が注がれている。
(灯倫太郎)