年末の風物詩として、親しまれている「除夜の鐘」。この音を聞くと、新しい年を迎える実感が湧くという人も多いだろう。しかし近年では、騒音問題や時代の変化によって、除夜の鐘を取りやめる寺院も出てきている。

■約半数「除夜の鐘がなくなるのは…」

Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女615名を対象に実施した調査では、全体で54.6%が「除夜の鐘がなくなるのは寂しいと思う」と回答した。

一方で「何も思わない」と答えた人は42.0%、「なくすべきだ」と答えた人は3.4%だった。

多くの人が除夜の鐘に対して、強い愛着を持っていることがわかる。しかしなくすべきだと答えた人は少ないものの、何も思わないと考えている人が4割もいるのも事実だ。

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■除夜の鐘に心を癒されて

除夜の鐘はなくなってほしくないと思っている40代男性は、「毎年除夜の鐘を聞くと、心が洗われるような気持ちになります。家族で年越しそばを食べた後に、近所の寺へ行って鐘の音を聞くのが我が家の恒例行事でした。鐘の音を聞くと1年の出来事を振り返りながら『またがんばろう』と気持ちになれたんです」と気持ちを述べた。

続いてほしいと強く願っているようで、「年に一度のことですし、伝統的な行事は守ってほしいと思うのですが…」 とも話していた。

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■子供が起きてしまわないかと…

子供が起きてしまうのが心配だと考える30代女性は、「以前は除夜の鐘のことはどうでもいいと思っていたのですが、子供ができてからは夜中に大きな音が鳴るのは困ると思うようになりました。伝統行事ということもわかっていますが、ようやく寝たと思った子供が除夜の鐘で起きてしまうのはつらいので…」と話す。

現代への対応も必要だと思っているようで、「現代の生活スタイルに合わせた柔軟な対応もしながら、伝統を守っていくことも必要ではないかと思ってしまいます」と続けた。

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■クレーマーのためになくなるのは…

Xでも、「除夜の鐘にも苦情が来るなんて、寂しい世の中ですよね。風情も何もなくなる…」や「一部のクレーマーのために、大事な行事がなくなるなんて間違っていると思うんですが…」など除夜の鐘がなくなることに反対する意見が多く見られた。

一方で少数だが、「仏教嫌いなので、普通に寺は嫌いなんだよな。除夜の鐘もうるさいだけ」と除夜の鐘を批判する意見もあった。

(取材・文/Sirabee 編集部・ニャック

【調査概要】

方法:インターネットリサーチ

2024年12月16日~2024年12月19日 
調査対象:全国10代~60代の男女615名