2024年も、様々な俳優たちが自身を極限まで追い込んで作り上げた肉体美を披露する映画が、続々と世に送りだされた。今年も残りわずかとなったいま、MOVIE WALKER PRESSでは、迎える2025年も元気モリモリの年にしたい!ということで、今年公開された映画のなかから、特に筋肉美がすばらしかった俳優やキャラクターを厳選し、部門ごとにご紹介。映画好きはもちろん「筋肉が大好物!」というマッチョ好きに、2024年の総決算として贈りたい!
■そこまで寄せる!?漫画の役になりきった筋肉バディに惚れ惚れ!【漫画実写部門】
まずは人気コミックのキャラクターを見事に体現してくれた漫画実写部門から3人がエントリー。トップバッターは、野田サトルの大ヒット同名漫画を実写映画化したサバイバル・バトルアクション『ゴールデンカムイ』(24)で山崎賢人演じる杉本佐一だ。
もともと愚直なほど生真面目な性格の山崎はストイックな体作りをすることで知られ、加えてベースの身体能力が高いので、キレのあるアクションにも定評がある。そのため実写化困難とされた作品に出演しても、制作陣、共演陣はもちろん、原作ファンからも高評価を得てきた。そんな山崎は原泰久の同名漫画を実写映画化した「キングダム」シリーズに続き、「ゴールデンカムイ」の映画やWOWOWのドラマシリーズでも主演を務め、見事、成功に導いた。
同シリーズで山崎が演じたのは、“不死身の杉元”の異名を持つ杉元佐一。山崎はなんと約10kgも増量してムッキムキのバディを作り上げた!それにしても本作ではヒグマ相手に壮絶なバトルを繰り広げるシーンもあり、観る側もヒヤヒヤ。猛烈なトレーニングを積み、極寒の雪山で過酷なアクションシーンに挑んだ山崎を心から称えたい。
シリーズ最終章となった『キングダム 大将軍の帰還』 / [c]原泰久/集英社 [c]2024映画「キングダム」製作委員会
続いてご紹介するのは、山崎と「キングダム」シリーズで共演した王騎将軍役の大沢たかお。今年公開された「キングダム」シリーズの第4弾『キングダム 大将軍の帰還』(24)は、特に王騎をフィーチャーした物語でもあった。同映画の撮影が入るたびに見事にパンプアップしてきた大沢。足ほどの太さとなった彼のたくましい腕を見ると、思わずぶらさがりたくなってしまう。
『キングダム 大将軍の帰還』で王騎将軍の激闘シーンに息を呑む / [c]原泰久/集英社 [c]2024映画「キングダム」製作委員会
王騎を演じるにあたり、約20㎏増量したと舞台挨拶で話した大沢だが「うちの会社に『太り方を教えろ』という問い合わせがすごくて。すみません! 連絡はやめてほしい」と苦笑いしつつ「体に危険なのでくれぐれも真似をしないように」と念を押していたのも印象深い。そんな徹底したアプローチに「アッパレ!」を差し上げたい。
『はたらく細胞』でキラーT細胞役を演じた山本耕史 / [c]清水茜/講談社 [c]原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 [c]2024映画「はたらく細胞」製作委員会
そして漫画実写部門の最後を飾るのは、現在大ヒット中である『はたらく細胞』の山本耕史。山本といえば大好物が「16kgのダンベルとプロテインです」と堂々宣言するほど、日々筋肉愛にあふれた生活を送っている。
『はたらく細胞』で強力な殺傷能力を持つキラーT細胞は山本耕史にぴったりの役どころ / [c]清水茜/講談社 [c]原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 [c]2024映画「はたらく細胞」製作委員会
永野芽郁や佐藤健と共演した本作は、擬人化された細胞たちが一生懸命に働く姿を描く娯楽大作。山本が演じるキラーT細胞は、強力な殺傷能力を持つ免疫細胞の主力部隊だ。仲間たちとともに己の肉体を武器にして戦うキャラクターということで、まさに山本のハマリ役となった!
■2次元のキャラクターながらモリモリ筋肉が尊い!【アニメーション部門】
『モアナと伝説の海2』の準主役キャラである、風と海を司る半魚半人、マウイ / [c] 2024 Disney. All Rights Reserved.
子どもから大人まで幅広い世代を魅了するアニメーション部門からは、2次元なのにスクリーンから飛び出てきそうな力強い存在感を誇る2名をプッシュしたい。1人目は、世界中で“モアナ旋風”を巻き起こしている『モアナと伝説の海2』(公開中)から、風と海を司る半神半人であるマウイ。
『モアナと伝説の海2』でモアナとの絆もより深まっていく / [c] 2024 Disney. All Rights Reserved.
主人公は海に選ばれた少女モアナで、英雄のマウイはシリーズに欠かせない準主役的なポジションにいる人気キャラクターだ。大胆不敵で自信過剰な性格だが、モアナに対してどこか素直になれないところがいじらしい。でもいざという時は、彼の体のタトゥ“ミニ・マウイ”が彼の素直な本心を代弁してくれる。そこもひっくるめて誰からも愛される筋肉キャラとなった。
誇り高く武闘派でもある『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』のヘルム王 / LOTR TM MEE lic NLC. [c] 2024 WBEI
もう1人、映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作を手掛けたピーター・ジャクソンの製作総指揮で、「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズの神山健治が監督した『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』(公開中)からヘルム王がエントリー。
ヘルム王は素手で敵を屠るという剛腕持ち主! / LOTR TM MEE lic NLC. [c] 2024 WBEI
ローハンの第9代目となるヘルム王は、誇り高い王の器にふさわしい人物にして、拳1つで敵を殺傷できるという強靭な戦士でもある。ふさふさとたくわえたヒゲと鋭い眼力はもちろん、王者の風格を感じる筋肉バディを見れば、「あなたについていきます!」と誰もが手を挙げたくなること間違いなし!
『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』は公開中 / LOTR TM MEE lic NLC. [c] 2024 WBEI
両作の日本語吹替版では、見事な歌唱と共にマウイ役を演じてきた尾上松也と、舞台で培われた厳かな声が秀逸であるヘルム王役の市村正親という声優陣の貢献度も相当なもの。もうすでに映画を観た方も、今度は2人の筋肉に着目して“おかわり鑑賞”していただきたい。
■筋肉フェチが小躍りしてしまうマーベル映画!【アメコミ部門】
『デッドプール&ウルヴァリン』も大ヒット!ヒュー・ジャックマンの当たり役となった野性味たっぷりのウルヴァリン / [c]2024 Marvel ディズニープラスで見放題独占配信中
アメコミ部門からは、今年も世界中のファンを熱狂させてくれたマーベルのヒーローとヴィランを演じた2人を推したい。1人目は映画史上最も破天荒なヒーローであるデッドプールとウルヴァリンの活躍を描くアクション・エンタテインメント大作『デッドプール&ウルヴァリン』(24)で、“爪野郎”ことウルヴァリン役を演じたヒュー・ジャックマン。
『デッドプール&ウルヴァリン』はディズニープラスで見放題独占配信中 / [c]2024 Marvel ディズニープラスで見放題独占配信中
アクションをさせても歌わせても超一流のエンターテイナーであるジャックマンだが、ウルヴァリンは彼が長年務めてきた名刺代わりの当たり役だ。「X-MEN」シリーズからダントツの人気を誇ってきたウルヴァリンだが、ジャックマンのとことん鍛え上げられた腕やぶ厚い胸板を見ただけで“強者”であることは一目瞭然。ワイルドな筋肉からフェロモンビームも発せるところが彼の強みといえる。
『クレイヴン・ザ・ハンター』で主演を務めたアーロン・テイラー=ジョンソン / MARVEL and all related character names: [c] &TM 2024 MARVEL
お次は『クレイヴン・ザ・ハンター』(公開中)で、マーベルの新たなヴィラン、いやダークヒーローとして降臨したアーロン・テイラー=ジョンソン。彼が演じたのは素手で猛獣を倒すほどの身体能力と五感を武器に戦うという最強の男、クレイヴン・ザ・ハンター役だ。
【写真を見る】あの人もこの人もシックスパック!!2024年のスクリーンを彩った筋肉美を一挙プレイバック(『クレイヴン・ザ・ハンター』) / MARVEL and all related character names: [c] &TM 2024 MARVEL
同作は、マーベルコミックでスパイダーマンの宿敵であるクレイヴン誕生の物語を描いたバイオレンス・アクション。テイラー=ジョンソンといえば「キック・アス」シリーズのタイトルロールや『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(15)のクイックシルバーなどのヒーローキャラでおなじみだが、百獣の王の力を身体に宿したクレイヴン役にて新境地を開拓。もともとアクションにおいてポテンシャルの高い彼だけに、鋼のように鍛え上げた肢体を使ったバトルシーンも見応えたっぷりだった。
■ラッセル・クロウから重責のバトンを受け取った注目株!【番外編】
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』でグラディエーターとして壮絶な戦いに挑むルシアス役のポール・メスカル / [c]2024 PARAMOUNT PICTURES.
最後を締めくくるのは、第73回アカデミー賞で作品賞に輝いた『グラディエーター』(00)の24年ぶりの続編を、巨匠リドリー・スコット監督自身が放つ『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(公開中)で主人公のルシアスを演じた期待の若手俳優、ポール・メスカル。
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』で筋肉美が冴えるポール・メスカル / [c]2024 PARAMOUNT PICTURES.
「グラディエーター」といえば、歴史映画としてもクオリティーの高い秀作であるうえに、血湧き肉躍るわっしょい“筋肉まつり映画”として多くの人々から支持されてきた。前作ではラッセル・クロウをはじめ、見るからにごつい筋肉を誇るグラディエーター(剣闘士)たちがわんさか登場したが、続編ではクロウに代わって主演を務めたメスカルが、精神面や肉体面の両方で真摯にアプローチをした。実際に気高くてりりしい悲劇のプリンス、ルシアス役を見事に演じきっていたが、彼の太くて引き締まった手足を見ただけで、その努力が伝わってきた。
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』は公開中 / [c]2024 PARAMOUNT PICTURES.
本シリーズでのハイライトといえば、いわずもがな猛者たちがコロッセオで繰り広げる肉弾戦である。今回もリアリティーにとことんこだわるスコット監督によって壮大なセットが作られ、メスカルたちも人間の限界を超えそうなレベルのハードな撮影に挑んだとか。それにしても戦いが壮絶なほど、ぶつかり合う筋肉も輝きを増していくような気がして大興奮!これぞ、大スクリーンで観るに値するアクション超大作である。
以上、2024年に“筋肉”に魅せられた8人の魅力を駆け足でお届けた。さて、あなたの推しメンはいただろうか?現在公開中の作品も多いので、冬休み中にぜひお気に入りの“筋肉”を拝みに映画館へお出かけください。
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記
文/山崎伸子