「武器になると思いますけど…」多用されるロングスローやハイボール。フィジカル重視の傾向に、パスサッカーを徹底する静学イレブンの本音「自分たちのスタイルのほうが好き」【選手権】

[高校選手権・3回戦]静岡学園(静岡)2-0 高川学園(山口)/1月2日/浦和駒場スタジアム

 1月2日、浦和駒場スタジアムで開催された第103回全国高校サッカー選手権の3回戦で、静岡学園(静岡)が高川学園(山口)と対戦。前半44分に加藤佑基のゴールで先制すると、後半40分には篠塚怜音の3試合連続弾で追加点を奪い、2-0で勝利を飾った。

 3年ぶりの準々決勝進出を決めた静岡学園は、魅力的な攻撃的サッカーに目を向けられがちだが、守備でも3試合すべて無失点と堅守を誇る。しかし、ここまでの勝ち上がりのなかで、相手のロングスローやハイボールを使った攻撃に手を焼く場面も少なくなかった。

 近年の高校サッカーでは、フィジカル重視の印象が強くなりつつある。そんなチームとは対照的に、テクニックを駆使したパスサッカーを徹底する静岡学園の選手たちは、現代の傾向についてどう感じているのだろうか。
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 試合後に質問してみると、静岡学園のCB岩田琉唯は、「もちろんロングスローは武器になると思いますけど、自分たちは近くで繋ぎながらプレーするほうが打開できると感じています。僕たちは身体能力でどうこうというより、テクニックを活かすスタイル。それを変えるつもりはないです」と述べる。

 また、主将の右SB野田裕人も、次のように自信を口にした。

「それぞれの高校によって戦い方は違いますし、それを否定する気はありません。ただ、僕は静岡学園のサッカーに憧れて入学したので、自分たちのスタイルのほうが好きです。パワープレーをしてくる相手にやりにくさはありますが、そういうチームとはプレミアで何度も戦ってきたので慣れています」

 川口修監督は、「テクニック対フィジカルの戦いで必ず上回る」と強調している。自分たちのスタイルを貫く静岡学園は5年ぶりに栄冠を掴めるか。

取材・文●中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)

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