「これは試合であり格闘技」大晦日のRIZINで起きた前代未聞の“暴挙”。反則、レフェリー殴打のイラン戦士は反省の色なし「たまたま出ただけ」

 年の瀬のRIZINで“事件”が起きた。

 2024年12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催された「RIZIN DECADE」の第1部『雷神番外地』の第7試合は、元K-1ワールドGPスーパーライト級王者の安保瑠輝也が同クルーザー級王者のシナ・カリミアン(イラン)と対戦した。結果は安保の判定勝ちとなったものの、カリミアンが反則攻撃を繰り出すなど後味の悪さを残した。

 予想外の展開が待っていたのは最終6ラウンドだった。体力的に追い込まれたカリミアンが、なんとルール上で禁止されているバックハンドブローを食らわせた。試合は一時止まったが、暴挙に怒った安保が同じバックハンドブローでお返しするなど、リング上は大混乱に陥る。しかも、ヒートアップした2人の間に入って止めようとしたレフェリーをカリミアンが殴打するなど、身長200センチの巨人はやりたい放題。リング下にいた他の審判が介入して制止する異様な光景が起き、会場からは大ブーイングが飛ぶ騒動となった。
  試合後、インタビュールームに現れたカリミアンは反省した雰囲気は皆無。むしろ、勝者のように堂々と椅子に腰掛けた。

 開口一番、イラン戦士は「私はとても気持ちがよくて、いい試合ができたと思う。皆さんは楽しめたかい?」と満足気な表情を見せて、取材陣に呼びかけた。対戦した安保については「特に強い印象があるというわけではない。子どもと遊んでいるような感じだった」と敗北したにもかかわらず、物足りないと振り返った。

 レフェリーに重いパンチを当てた場面については「これは試合であり格闘技だ。ヘビー級では、ジャッジもそれを止められるような人間でなければならない」と持論を展開。「レフェリーを殴りたいという気持ちは一切ない。熱くなっただけだ。別に狙ってやったわけではなく、 たまたま出ただけだ」と故意ではないと否定した。取材陣から3回やったことが伝えられると、「いつの3回だ? 覚えていないよ」と一蹴した。

 前代未聞の事態は翌日、一部の海外メディアに「乱闘でレフェリーが2発殴られるカオス状態になった」と報道されるほど、世界でも小さくない話題を集めた。カリミアンは初参戦のRIZINについて、「今回はエキシビション的な試合だったが、来年は重量級の選手を連れてきてくれれば、ひとりずつ潰してやる」と煽り、総合格闘技のルールでも構わないと言い放ち、今後の継続参戦を希望した。

 RIZINのリングに強烈な爪痕を残したカリミアン。波乱のデビュー戦となったイラン戦士の今後の動向に要注目だ。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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