[高校選手権・3回戦]堀越(東京A) 6−1 松山北(愛媛)/1月2日/駒沢陸上競技場
この試合で全6得点に絡む活躍を見せたのが、堀越の10番、三鴨奏太(2年)だ。4ゴール・2アシストという数字はまさに圧巻で、強烈なインパクトを残した。
なかでも印象深かったのは、前半7分の先制弾。敵陣の中央エリア付近で渡辺隼大(3年)とのワンツーから抜け出すと、エリア内に入るところで相手をひとりかわす。そこから冷静に決めた超絶ループ弾は“バケモノの証”と言えた。
実はシュートの瞬間、GKの他に相手選手が2人揃ってスライディングをしている。ほぼコースがない状態でループを選択しているのだ。そのループを、三鴨は次のように振り返っている。
「天然芝なので足を振ったら深く入る可能性があって。DFも来ていたので、浮かすのがベストでした」
言うのは簡単だが、相当高度なテクニックだ。「DFも来ていた」と話したが、あえて訊いてみる。
「DFふたりが飛び込んできたのは見えていましたか?」
すると、三鴨はこう回答した。
「見えていたというよりもイメージの中にあって。なんとなく上手くいった感じです(笑)」
あれを感覚で察知できるとは。飛び抜けたサッカーセンスがなければ、成り立たない得点だったと言えるだろう。恐るべき2年生である。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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