レッドブル、新F1風洞計画が前倒し。順調な作業で3ヵ月巻く……2026年には“冷戦時代の遺物”から脱却へ

 レッドブル・レーシングは、新しいF1用風洞の建設が当初の予定よりも早く進んでいると語った。

 レッドブル・レーシングが現在使用している風洞は、イギリス・ベッドフォード郊外にある70年以上前のモノ。現在のF1グリッドでは最も古い風洞であり、チーム代表のクリスチャン・ホーナー代表は“冷戦時代の遺物”と呼んでいる。

 チームは風洞を最新の状態に保つため絶えず改良を続けてきたが、技術担当者は長期的には限界があると見ている。

 F1チームはこうした施設に多額の投資を行なっている。マクラーレンは2010年以来ドイツ・ケルンにあるトヨタの風洞を間借りしてきたが、2023年夏からは自前の最新型に移った。またアストンマーティンも、イギリス・シルバーストンに新たなファクトリーを建設し、新風洞も合わせて設置した。

 レッドブル社は、イギリス・ミルトンキーンズにあるチームのキャンパスに新たな風洞を建設する計画にゴーサインを出しており、現在では予定より3ヵ月も早く作業が進んでいるという。

「建設作業や新しいマシンの導入で、いつになるかは分からない。しかし現時点では予定よりも早く進んでいる」

 レッドブル・レーシングのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェは、motorsport.comにそう語った。

「計画よりも3ヵ月早い。みんなとても良い仕事をしているが、どこで遅れが出るか分からない。大きなプロジェクトだからね」

 チームの新しい風洞は2026年の稼働開始を予定しており、2027年マシンからその効果が発揮されることになる。

「あるいは、2026年の後半には役立っているかもしれない」とワシェは付け加えた。

「このスポーツで最も古い風洞だ。先日、ヨス(フェルスタッペン)と話していたが、彼がアロウズにいた時(2000〜2001年)に、この風洞は既に使われていたんだ」

「古いツールをアップデートしてきた。中には新しいモノがたくさんあるが、限界もある。その限界は分かっているし、それを回避しようと努力はしている。しかし小さな差を求める場合、それは明らかに難しい」

「新しい風洞に投資するのはそのためだ。新しい風洞には、現在のモノにはないメリットがあると思う」