MotoGPの2025年シーズンに向けて、ルカ・マリーニはホンダとして、この冬の間に0.5秒を縮めていく必要があると語った。
ホンダはこの数年間苦戦続きで、2024年は優遇措置の対象メーカーとなったが、その恩恵を結果に繋げることができず、コンストラクターズランキングで最下位に終わった。
しかし9月のミサノテスト以降は、ホンダのパフォーマンスに改善傾向が見られた。LCRホンダのヨハン・ザルコがインドネシア、タイでトップ10フィニッシュを果たしたことは、その現れと見ることもできる。
しかしホンダがトップ争いに返り咲くまでの道のりはまだ長く、2025年に向けたオフシーズン中にまだまだ努力しなくてはならないとマリーニは語る。
「5月(のカタルニアGP)と、(同じ開催地で最終戦として行なわれた)ソリダリティGPを比較して、パフォーマンスやバイクの開発状況を見てみると、上手く前進できていると思う」
「もちろん、これでも全然十分じゃない。だけどバイクは上手く機能しているし、ライダーとしても改善している。僕らは良いトレンドに乗っていると思う」
「そして僕らは、セパン(テスト/2025年2月)にかけて、さらに0.5秒を縮めるための努力を続けていかなくちゃならない」
一方でマリーニは、2025年に向けてホンダがドゥカティに次ぐ2番手の存在になれる可能性があるとも語っている。
「(今年の進歩には)満足しているんだ。僕らは序盤のレースでは1周1.8秒差のようなところからスタートしていたけど、今では1周1秒差だ」
「まだまだ先は長いのは間違いない。ドゥカティと同じレベルになるのは難しいかもしれないけど、今は他のメーカーを全て倒すことが目標だし、その後はドゥカティを打ち倒すことも考えていけるだろう」
2024年から新導入された優遇措置のシステムによって、ホンダとヤマハはバイクの開発における制限が緩くなり、テスト規制も緩和されている。ただマリーニの僚友であるジョアン・ミルは、2024年に関しては優遇措置から短期的にはアドバンテージを得られていないと語り、2025年まで影響が見えてこないだろうと語っていた。
しかしヤマハはこの制度をホンダ以上に活用できていると考えられる。ファビオ・クアルタラロもヤマハがYZR-M1により頻繁に新しいパーツを持ち込むようになり、システムを活用できたと感じていると話していた。
マリーニはホンダとヤマハの比較について訊かれると「ヤマハは僕達よりもいいところからスタートしていた」と答えた。
「だから僕らは常にヤマハよりも一歩遅れていたんだ」
「僕らも改善を進めてギャップを縮めたけど、彼らとはそれでも同じレベルではなかった」
「それに彼らはシーズンを通じてバイクを改善していた。立ち止まることなく、シーズン中に多くの作業を続けていたんだ。彼らのバイクもウチ同様に改善されていった」
「ヤマハよりも僕らの方が大きく改善できたと思うけど、彼らはスタートの段階で僕らよりも前にいたんだ。特にクアルタラロはヤマハを知り尽くしていて、バイクを限界で走らせることができる」
「ライディングスタイルは完璧だし、バイクに関しては深く理解している。だから彼のパフォーマンスは、多くの場合僕らよりも優れていたんだ」