『JR東海 推し旅 Presents WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム』東京ドーム(2025年1月4日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○ザック・セイバーJr.vs海野翔太×
43分超えの激闘の末に海野を下して、ザックがIWGP世界ヘビー級王座V3。王者として翌日の東京ドーム大会で今度はリコシェを迎え撃つことが決定した。
ザックは昨年のG1 CLIMAXを制覇すると、10・14両国大会で内藤哲也を下し、IWGP世界ヘビー級王座初戴冠を果たした。SANADA、鷹木信悟を破り、2度の防衛に成功。新春のドーム大会では昨年のG1公式戦で敗北を喫している海野を迎え撃った。
タイトル挑戦時にはブーイングを浴び、年末のタッグリーグ中には左足首を負傷。苦しい状況に追い込まれた海野だったが、最終前哨戦となった12・23後楽園大会ではザックから直接ピンフォール勝ちを奪い、「喜怒哀楽のすべてをザックにぶつけて、ベルトを獲ってやる」と予告していた。
翌日の1・5東京ドーム大会では、ザックがリコシェと、海野がクラウディオ・カスタニョーリとのスペシャルシングルマッチが決定しており、今大会の勝者の試合が防衛戦を行うことが決定した状態での一戦となった。
どちらも東京ドーム大会のメインは初。挑戦者の海野がバイクに乗ってど派手に入場すると、ザックは新テーマ曲で姿を現した。
ザックが左腕攻めで序盤戦をリード。一方、海野はロープを飛び越えての飛びつきエプロンDDTで立て直す。鉄柵に投げつけると、一部の観客からブーイングも起こるが、気にせず鉄柵に足を固定してのDDTで突き刺した。反撃に出たザックがサッカーボールキックを浴びせると、海野は勝ち気に蹴ってこいとアピール。王者から足蹴にされても、額をつけてにらみつけ、エルボー合戦に持ち込む。
競り勝ったザックは再び左腕を狙い撃ち。エグい関節技に東京ドームは大きくどよめく。しかし、強引に抱えて逃れた海野は、リバースツイスト&シャウトをズバリ。エルボースマッシュ合戦で気持ちをぶつけ合うと、互いにアクセルを踏んで得意技が交錯する。海野はスイング式DDTからデスライダーへ。その瞬間、先に動いたザックがザックドライバーで突き刺した。
ザックはゴッチ式パイルドライバーの構え。どよめきが巻き起こるが、防いだ海野は変型デスライダーで挽回する。イグニッション、旋回式デスライダーから正調デスライダーの体勢に。だが、ザックはここまで一切狙ってこなかった海野の左足首に照準。両足で挟んで捻り上げると、ヒザ十字固め、さらには変型裏足4の字固めで絞めに絞めた。長時間捕まって何度も悲鳴を上げた海野だったが、執念のロープエスケープを果たす。
ザックはローキックや踏みつけ、低空ドロップキックで左足に集中砲火。海野はスイング式DDTで一矢報いた。雪崩式ザックドライバー狙いはなんとか防ぎ、コーナー最上段から雪崩式デスライダーを敢行したものの、フォールにはいけない。エキサイトした海野はうつぶせで倒れるザックの背中をしつこく踏みつける。ブーイングを浴びても、父である海野レフェリーを突き飛ばしてまでなおも踏みつけた。ザックに足を狙われても下がらず、またまた踏みつけ攻撃へ。ブーイングが再び巻き起こる。
どちらも感情むき出しになってビンタ合戦で火花。ザックは強烈な一撃で張り倒すも、海野も押し返し、後頭部にブレイズブレイドをぶち込んだ。ザックに左足を狙われても丸め込んで切り返すと、こん身のラリアットを一閃。しかし、足に痛みが走って崩れた瞬間、ザックは低空ドロップキックを放つと、セイバードライバーを繰り出した。さらに、ゴッチ式パイルドライバーをズバリ。そして、最後は足を固めた状態から決める変型セイバードライバーで3カウントを奪った。
ザックが43分超えの激闘を制して、IWGP世界ヘビー級王座V3。倒れる海野に声をかけたザックは日本語で「カチマシタ!」と叫んだ。「ショウタクン、マダマダエースデハナイケド、ココマデオイデ。ガンバッテ」と海野にメッセージ。「ミナサン、ドウデスカ!」と叫んで歓声を受けると、「アケマシテオメデトウゴザイマス。アシタモタノシンデ」と流ちょうな日本語であいさつし、「コトシノチュウシンハTMDK!」と叫んで締めくくった。
今日の結果を受けて、あす(5日)の東京ドーム大会でのリコシェ戦が防衛戦になることが決定。リコシェを下せば、IWGP世界ヘビー級王座最多防衛記録タイとなる。激闘のダメージを引きずるザックは新春2連戦の関門を突破することができるのか。