昨年の元日に亡くなった経済評論家の山崎元氏は、若い人が時間・努力・お金を投資し、得ることができるのは、知識・スキル・経験・人間関係・時間の5つだと解説する。
書籍『経済評論家の父から息子への手紙』を一部抜粋・再構成し、自分への投資で得ることができるリターンについて、気をつけるべき具体的なポイントとともに解説する。
自己投資で得るものは、知識・スキル・経験・人間関係・時間
かつても、これからも、人材価値向上のために自分に投資することの意義と重要性は変わらない。
自分が投資するものは、時間・努力・お金の3つだ。そして、投資で得ようとする対象は、①知識、②スキル、③経験、④人間関係、⑤時間、である。
仕事で差をつけることができる「知識」、仕事の能力向上につながる「スキル」の獲得には、継続的な努力が必要なのが普通だ。自分流の勉強の仕方(先端の論文を読む、など)や技術の吸収の仕方(先輩から学ぶ、など)を工夫せよ。
自己投資というと、すぐに社会人大学院のような教育機関に期待しようとする人が多いが、しばしば疑問に感じる。
教えている内容は「誰でも知りうる知識やノウハウ」が多いし、無駄な時間が少なくない。また、残念ながら、国内MBAの履歴書上の価値は高くない。下手をすると履歴書上で、「この人は、会社の仕事が暇で、職場に不満のあった人だろう」という程度に解釈される可能性さえある。
自己投資に多く必要なのは時間だ。例えば職住近接の住居にお金をかけて勉強や人付き合いの時間を増やすなど、「時間を買う」ことが有効な自己投資になり得る場合がある。
(広告の後にも続きます)
時間の値段を意識する。「年収1千万円は時給5千円」
自分の時間にも、相手の時間にも、経済価値があることを意識するべきだ。例えば、年間250日、1日に8時間働くとして、年収1千万円なら時給は5000円、2千万円なら1万円だ。
そして、実際に仕事に使える時間の価値は、たぶんこれよりもかなり高い。