明秀日立3年に引退はない。指揮官が伝えたその意味。自分たちを破った東海大相模は初出場で4強「うちからすれば神奈川は…」【選手権】

[高校選手権・準々決勝]明秀日立(茨城)1-2 東海大相模(神奈川)/1月4日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 国立行きを懸けた大一番で、スコアを動かしたのは、7年ぶり2回目の準々決勝を戦う明秀日立だ。前半34分に久保遼真がCKから絶妙なヘディングシュートを決め、初戦から3試合連続で先制に成功した。

 しかし、初出場で快進撃を続ける東海大相模の反撃に遭い、同40分に相手エースの沖本陸に被弾。1-1に追いつかれて折り返すと、後半25分に高畑旺崇に勝ち越し点を浴び、1-2で逆転負けを喫した。

 またしてもベスト8で敗退。過去最高成績を更新できずに終わったなか、萬場努監督は反省の言葉をこう述べた。

「良い時間に点が取れて、前半を1-0で終わりたかった。一瞬の隙を突かれたのは、自分たちの甘さ。2点目はちょっと苦しいなと思っているなかで押し返せなかった。ボールが落ちたところの運もあるけど、ああいうところで、もうちょっと主導権を握らなきゃいけなかった」

 初出場の相手でやりにくいところはあった?という問いに、「うちからすれば神奈川県はどこが出てきても強豪。桐光(学園)、日藤(日大藤沢)、横浜創英、東海大相模って、どこが出てきてもすごく強い。あまりそこは意識しなかった」と答えた指揮官は、3年生の今後に関しては次のように語った。
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「(インターハイ県予選決勝で敗れた)夏の悔しい思いを上手に跳ね返して成長してくれて、ここまで来てくれた。私たちもすごく成長を実感している。ただ、国立に行く、日本一なるって簡単なことじゃない。彼らはほとんど大学でサッカーをやっていくので、次はもっと良い選手になって、個人としても活躍していってほしい。常に成長する課題意識を持ち続けてほしいので、今はこれが自分たちの課題だぞと思って、ちょっと休んで、大学に行くための練習に切り替えていきたい。

 私たちはあまり『引退』って表現はしない。大学に行って、活躍していくための準備はサッカー選手として必要なこと。高校サッカーだけで終わりの子もいるけど、どういう活躍を将来的にしていくかって、ここで終わりではないと思っているので。これから大学に行くための自分の考え方、フィジカルのトレーニング、もちろんボールスキルも含めて、まだまだ伝えていくべきことはあるので、まだ普通に活動する」

 高校サッカーはまだ数か月続く。それは次のステージと地続きでもある。より大きなジャンプをすべく、彼らは助走をつける。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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