低い姿勢で、小さく引いてしっかり振り切る! 相川真侑花が両手バックリターンで意識しているコツ【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は米国を拠点に活動し、サウスポーから繰り出すキレのあるショットで世界と渡り合う相川真侑花選手の2回目。両手バックのリターンを確実に返すコツを教えてくれた。

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 サービスリターンはタイミングやボールとの距離感を測るのが難しくて、あまり得意ではないんです。だから私は“しっかり返して”からポイントを展開していくようにしています。この写真は相手の2ndサービスをしっかり返した状況ですね。

 よくできていると思う点は、スプリットステップを後ろから前にしているところです(写真1~3コマ目)。2ndで少し余裕があるため、前に跳んだ上できちんと踏み込んで打てています(6コマ目)。

 スプリットすると、着地後に身体が上がりやすいものですが、ここでは低いままボールに入れているでしょう(3~5コマ目)。頭の位置を上下動させずに、低く保って前に行くのが、サービスに力負けせずに打ち返すコツです。
  最初のポジションを見ると、私はやや後ろめです。日本の女子選手はベースライン上で構える人が多いですが、自分は最初から前にいると合わせるだけになりがちなので、少し後方から1歩前に入って、しっかりスイングするように心掛けています。

 ただし、準備はコンパクトにするのが鉄則です。腕で引くのではなく、スッと身体のターンでラケットをセットしているため(5コマ目)、振り遅れることなく、身体の前の方でヒットできています(8コマ目)。状況に応じてスピンをかけることもありますが、ここでは奇麗に真っすぐの面を作って、フラットで捉えていますね。

 フォロースルーは途中で止めず、最後まで振り切ることを意識しています(10コマ目)。これもしっかり返すためのポイントです。面をボールに合わせた後、そのまま押していく(9コマ目)イメージを持っています。

【プロフィール】相川真侑花/あいかわまゆか
1998年4月2日、神奈川県生まれ。162cm、左利き。全国小学生優勝後アメリカにテニス留学し、全仏Jr複4強などの戦績を残す。プロ転向後も米国を拠点に活動し、2022年にITFツアーで2度優勝。JTAランクを16位まで上げる。サウスポーを生かしたキレのあるショットが武器。テニスユナイテッド所属。

構成●スマッシュ編集部
取材協力●SBCドリームテニスツアー2022
※『スマッシュ』2023年6月号より再編集

【連続写真】しっかり返した相川真侑花の両手バックハンドリターン『30コマの超分解写真』

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