大坂なおみ、決勝で第1セット先取直後に負傷棄権。4年ぶりのツアー優勝はならず「今日の終わり方はすごく残念」<SMASH>

 2025年の女子テニスツアー開幕戦「ASBクラシック」(24年12月30日~25年1月5日/ニュージーランド・オークランド/ハードコート/WTA250)は現地5日にシングルス決勝が行なわれ、元世界ランク1位の大坂なおみ(現57位)と第5シードのクララ・タウソン(デンマーク/同50位)が対戦。大坂が第1セットを先取した直後に途中棄権を表明し、出産後初並びに約4年ぶりのツアー優勝はならなかった。

 出産と産休を経て昨年1月にツアー復帰を果たした27歳の大坂は、2017年以来8年ぶり2度目のASBクラシック出場となる今大会に第7シードとして参戦。リナ・グルシュコ(イスラエル/220位)、ユリア・グラベール(オーストリア/470位)、ヘイリー・バティスト(アメリカ/92位)を破ると、準決勝ではアリシア・パークス(アメリカ/同82位)に6-4、6-2で快勝して決勝へ駒を進めていた。

 タウソンとのツアー初顔合わせとなった決勝戦、大坂は持ち味の鋭いショットで相手を崩し、第3ゲームで先にブレークに成功。勢いに乗って第5ゲームでもタウソンのサービスを破り、4-1とリードを広げる。第8ゲームで1つブレークを返されるも、2度目のサービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲームでは立て続けにフォアハンドのウィナーを決めてキープし、接戦の末に第1セットを先取した。
  ところがセット終了直後に大坂は腹筋の痛みを訴え、ベンチに腰掛けて号泣。プレー続行は不可能と判断し、途中棄権を申し入れた。この結果21年1月の全豪オープン以来となるツアータイトルを逃した大坂。試合後の表彰式では次のようにファンへの感謝の言葉を口にした。

「皆さん、こんなに美しい町で私を温かく迎え入れてくれてありがとう。ここでプレーできたことは本当に楽しかった。今日の終わり方はすごく残念だけど、皆さんが私たちのプレーを楽しめたならうれしいです。ここに来られたことに本当に感謝しています」

 試合開始から素晴らしいプレーを見せていただけに非常に残念な結果となってしまったが、それよりも大坂のケガの状態が気になるところだ。とにかく1週間後に開幕を迎える全豪(1月12日~26日)には無事出場できることを願いたい。

文●中村光佑

【動画】ASBクラシック決勝、第1セットを奪った大坂なおみのプレーと、無念の負傷棄権を告げる様子

【画像】華麗な特注ウエアで全米オープンを戦った大坂なおみを厳選ショットで紹介!

【関連記事】大坂なおみが出産後初のツアー決勝進出!「何歳になっても、常に改善できるのは本当にうれしい」と充実ぶりをアピール<SMASH>