『WRESTLE DYNASTY』東京ドーム(2025年1月5日)
○ケニー・オメガvsゲイブ・キッド×
大流血の死闘を制し、ケニーが1年ぶりの復帰戦で激勝。新日本を背負ったゲイブは惜敗したものの、東京ドームは大「ゲイブ」コールに包まれた。
両者の遺恨が始まったのは昨年の11・4大阪大会だった。AEW所属で長期欠場中だったケニーが1・5東京ドーム大会での復帰を宣言。その直後、バックステージでケニーとゲイブが言い争いを繰り広げて、大乱闘に発展した。新日本からはゲイブに厳重注意と罰金が科せられたが、怒りのケニーは制裁マッチを予告。ゲイブも「お前のキャリアを終わりにしてやる!」と言い返し、危険な一騎打ちが決定した。ケニーは憩室炎のために2023年12月から欠場しており、約1年ぶりの復帰戦。新日本登場も約2年ぶりとなった。
ゲイブは新日本伝統のライオンマークが刻まれた黒いタイツで登場する。ケニーと向き合い、ゴングが鳴ると、場内は「ゲイブ」コールに包まれた。
互いに距離を取って掌底やローキックを交錯させる緊張感溢れる攻防で幕開け。ゲイブはロープ際で場外めがけて捨て身のブレーンバスターを敢行し、戦場は場外に。反撃に出たケニーは高速ドラゴンスープレックスを繰り出すと、ブーイングを気にせず、パワーボムでゲイブを本部席に叩きつけた。テーブルが真っ二つにへし折れ、ゲイブは額から流血。ゲイブに歓声が集中したものの、さらにケニーはスワンダイブ式の鉄柵超えトペコンヒーロで突っ込む。このダイブにレフェリーたちが巻きこまれたため、戦いは無法地帯となり、ハードコアマッチの様相に。
血まみれでブチ切れたゲイブはパイプイスでケニーを痛打。リング下からテーブルを持ち出すと、そのテーブルめがけて垂直落下式ブレーンバスターで突き刺した。柴田勝頼ばりにあぐらをかいて腕を組むと、テーブルの破片を脳天に振り下ろす。場内は大「ゲイブ」コールで後押し。ケニーもこれで大流血する。ゲイブはリングに無数のパイプイスを投げ込んだ。ケニーはそのイス山に後頭部から浴びせ倒して反攻。負けじとゲイブはイス山への雪崩式ブレーンバスターを強行した。死闘は続き、パイプイスを脳天に振り下ろし合うと、ここでようやく海野レフェリーが現れた。
2人はエルボーやビンタを激しく打ち合うと、ケニーがVトリガーを連続してヒットさせる。だが、倒れないゲイブもラリアットを振り抜いて両者大の字に。再び「ゲイブ」コールに包まれる中、ゲイブは左右のハンマーパンチや逆水平を見舞ったものの、ケニーもカウンターのフランケンで譲らず。場外に転げ落ちたゲイブめがけてノータッチトペコンヒーロを敢行した。リングに戻ると、後頭部への串刺しVトリガーを放ち、コーナー最上段から雪崩式ドラゴンスープレックスを強行した。
しかし、ゲイブは沈まない。ケニーはダブルアーム式パイルドライバー、Vトリガーとたたみかけるが、ゲイブは片翼の天使を新日本電動のコブラツイストで切り返す。さらに、投げ捨てジャーマンにつなげると、ケニーのラリアットを仁王立ちで受け止め、ランニングニー、パイルドライバーとラッシュ。カウントの大合唱となるが、ケニーは肩を上げた。
ゲイブは垂直落下式パワーボムからレッグトラップパイルドライバーで勝負に出るも、ケニーはニアロープに救われて、ロープに足が届く。ならばとゲイブはまさかの延髄斬りを決めたものの、ケニーもVトリガーを連発して強引にペースを奪取。パワーボムから間髪入れずにまたまたVトリガーをぶち込む。ゲイブはカウント1でフォールを返して中指を突き立てたものの、その手を掴んだケニーはカミゴェをズバリ。最後は片翼の天使で3カウントを奪った。
ケニーが大流血戦を制して1年ぶりの復帰戦で激勝。しかし、敗れたゲイブにも声援が集中。テレビ実況席で試合を見守っていた棚橋弘至社長も思わず涙を流した。