F1チーム同士の関係性は度々注目を集め、技術協力を結んでいるような時もやり玉として挙げられることが多い。レッドブル・レーシングの姉妹チームであるレーシングブルズもそうした批判を受けるチームのひとつだが、チームCEOを務めるピーター・バイエルが反論を展開した。
F1では、コンストラクターとして基本的には各チームがマシンを開発・製造する必要があり、近年ではマクラーレンが中心となってチーム間の協力体制に対する懸念を表明してきた。
そうした協力体制について少し前の段階では、フェラーリから多くのパーツを譲り受け、イタリア・マラネロでシミュレータを使用しているハースF1が標的になっていた。しかしレッドブル・レーシングの姉妹チームであるレーシングブルズにもスポットライトが当たるようになり、マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンは、こうした“Bチーム”をF1で禁止するべきだとまで語った。
近年、レーシングブルズはレッドブル・レーシングとの協力関係を強化し、レギュレーションで許されている譲渡可能パーツをより多く採用するようになった。
しかしバイエルCEOはFIAで過ごした期間も長く、他チームがどのような関係を築いているかを熟知しており、レギュレーション上は何の問題もないとして、レーシングブルズのBチーム批判を意に介していない。
「率直に言って、私はFIAで十分な時間を過ごし、他チームがどのように協力し合っているかを理解しているから、そうした発言で私がイライラすることはない」
バイエルCEOはPlanetF1にそう語った。
「以前にも言ったが、もう一度言ってもいい。フェラーリとハースは、レッドブルが我々と共に仕事をしているよりも緊密に連携していると確信している」
バイエルCEOはまた、F1における政治的な駆け引きや、チームが互いをどう妨害しようと試みるかについても理解していると語った。
「一歩引いて、ドライバーやエンジニアからのフィードバックに耳を傾ければ、このマシンが別モノであることが分かるはずだ。単なるコピーではない。そうでなければ、我々は現在のポジションにいないはずだ」
さらにバイエルCEOは、ハースとフェラーリの協力関係についても言及。フェラーリ育成ドライバーで2025年にハースからF1フル参戦を果たすオリバー・ベアマンが2024年シーズンにドライブしたフェラーリSF-24とハースVF-24の最大の違いは、“カラーリング”だと指摘した。
レーシングブルズはレッドブル・レーシングから、サスペンションやギヤボックスなど、いくつかのパーツを採用しているが、どれもレギュレーション内でチーム間の譲渡が許されているモノだ。
譲渡可能パーツのリストは、レギュレーションが刷新される2026年シーズンも厳しくはならない。これには理由があるとバイエルCEOは言う。
「サスペンションやギヤボックスを共有したところで速くなるわけではないと、心の底では誰もが分かっているはずだ。だから何も変わらない」とバイエルCEOは説明した。
「基本的に、(譲渡可能パーツによって)小規模チームが時間や資金、開発をどこに費やすか、他のことに集中することができる」