ソニーグループは、10年後のソニーのありたい姿を示す長期ビジョン「Creative
Entertainment Vision」をテーマとして、米国ネバダ州ラスベガスにて現地時間2025年1月7日より開催される「CES 2025」に出展する。
現地時間2025年1月6日に行ったプレスカンファレンスには、ソニーグループ株式会社社長COO兼CFOの十時裕樹氏が多様なスピーカーと共に登壇し、「Creative Entertainment Vision」につながる足元の取り組みとして、自由なクリエイションを可能にする、新たな移動体撮影システムや空間コンテンツ制作の最新ソリューションを披露した。
また、ファンコミュニティを広げるアニメ領域での取り組みを説明すると共に、ゲームIPの世界を多面的に広げる施策として、ゲームIPの映像作品化や音楽アーティストとの共創、新たなロケーションベースエンタテインメント体験なども紹介した。
その中で、ゲーム「Ghost of Tsushima: Legends/冥人奇譚」をもとにしたアニメシリーズの制作やマンガアプリ「Crunchyroll Manga」の提供、ドラマシリーズ「The Last of Us」シーズン2の配信開始時期を発表した。
加えて、ゲストスピーカーとして米国National Football Leagueのロジャー・グッデルコミッショナーを招き、スポーツエンタテインメントの進化について最新の事例を交えて語り、さらにモビリティの革新の事例として2025年から受注を開始するソニー・ホンダモビリティのEV「AFEELA 1」も初披露した。
十時氏は、ソニーは「Creative Entertainment Vision」のもと、クリエイターをはじめとした社内外の仲間と共に人々の創造力を刺激し、無限の感動を生み出していきたい、と述べてプレスカンファレンスを締めくくった。
■プレスカンファレンス登壇者(登場順、敬称略)
- 十時裕樹(ソニーグループ株式会社 社長 COO 兼 CFO)
- ニール・マノウィッツ(ソニー・エレクトロニクス プレジデント 兼 COO)
- ロジャー・グッデル(National Football League コミッショナー)
- 水野泰秀(ソニー・ホンダモビリティ株式会社 代表取締役 会長 兼 CEO)
- ジョニー・スロー(Pixomondo CEO)
- 山村タイザ(ソニー・エレクトロニクス XR事業開発 統括責任者)
- 岩上敦宏(株式会社アニプレックス 執行役員社長)
- ラウール・プリニ(Crunchyroll プレジデント)
- ラヴィ・アフジャ(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 社長 兼 CEO)
- アサド・キジルバッシュ (PlayStation Productions 統括責任者)
- アシュリー・ブルックス(Screen Gems プレジデント)
- ニール・ドラックマン(Naughty Dog スタジオヘッド、クリエイティブヘッド)
■ブース出展概要
- 期間:2025年1月7日(火)~1月10日(金)
- 場所:ラスベガスコンベンションセンター(ブース#20800)
展示内容について
10年後のソニーのありたい姿を描いた長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」のもと、ソニーの最新技術や取り組みを紹介する。「Creative Entertainment Vision」に基づき、クリエイター同士の共創によってコンテンツが生まれ、拡張されていく未来のクリエイションの様子を表現したデモンストレーションと共に、ビジョンの3つのフェーズ「Creativity Unleashed(世界中のクリエイターの創造性を解き放つ)」、「Boundaries Transcended(多様な人々や価値観をつなげ、コミュニティを育む)」、「Narratives Everywhere(ワクワクするストーリー性のある体験を世界中に広げる)」に沿って展示を構成する。
バーチャルプロダクションを活用した、新たな移動体撮影システム「PXO AKIRA」
車両やその他の乗り物など移動体の撮影において、従来の手法を一新させ、安全かつ低コストで自由度の高いクリエイションを実現する最先端の映像制作システム「PXO AKIRA」(ピクソ アキラ)を初公開する。
PXO AKIRAは、高度なロボットカメラクレーン、独自設計したモーションプラットフォームやLEDウォールを統合するデジタルツイン・ツールを組み合わせ、移動体が登場するあらゆるシーンでバーチャルプロダクションを活用した撮影を可能とするオールインワン・ソリューション。今回の展示では、PXO AKIRAと組み合わせて使われる、現実世界をキャプチャし、没入感のある3Dデジタル背景を再構築するツールも紹介する。
空間コンテンツ制作支援を行うソフト・ハード統合のソリューション「XYN」
ソニーは、空間コンテンツ制作支援を行うソフトウェアとハードウェアが統合されたソリューション「XYN」(ジン)を展開する。これまで培ってきたイメージング、センシング、ディスプレイなどの技術に加え、独自アルゴリズムを用いて現実空間のオブジェクトや人の動き、背景を正確に捉えて3D CG制作環境で効率的に再現し、柔軟なワークフローを実現する。ブースでは、開発中の製品およびソリューションを体験できる。
「LEGO ホライゾン アドベンチャー」とmxmtoonの楽曲が織りなす世界
「LEGO ホライゾン アドベンチャー」は、アクションRPG「Horizon」シリーズの世界を全てレゴブロックで再現した、ユーモアあふれるゲーム。mxmtoonが制作したテーマソングは、「Horizon」の世界を斬新な形で発展させたもので、ミュージックビデオも新たに先行公開する。ミュージックビデオではEpic GamesのUnreal Engineを制作に用いることで、ゲームのアセットをアニメーションへ活用し、コンテンツを拡張している。
本プロジェクトは、mxmtoonの楽曲に加えて、Guerrilla、レゴグループ、Pixomondo、ソニーなど、さまざまなチームの創造性を掛け合わせたコラボレーションにより実現。ブースでは、このゲームを実際に楽しめるほか、ミュージックビデオのプレビューや、本プロジェクト実現の背景を説明するメイキング動画を上映する。
「劇場版「鬼滅の刃」無限城編」をテーマにした体験
アニプレックスは、アニメーションを主とした映像・音楽作品の企画製作、ゲームの企画・開発、劇場作品の製作・配給、グッズの企画・制作・販売など、幅広いビジネスを手掛け全世界に展開する、総合エンタテインメントカンパニー。
ブースでは、集英社ジャンプコミックスにて累計発行部数1億5000万部を突破した吾峠呼世晴による漫画作品を原作とし、ufotableが制作を手掛けたアニメ作品「鬼滅の刃」をテーマにした体験が可能。2025年に三部作のうち一作目が全世界で劇場公開される「劇場版 「鬼滅の刃」 無限城編」のポスターを再現するフォトブースを設けている。
「The Last of Us」をコンセプトとした没入感のあるロケーションベースエンタテインメント体験
ソニーは、映像・音響・触覚提示(ハプティクス)などのさまざまな技術を組み合わせて、クリエイターに新たな表現の場を提供し、ロケーションベースエンタテインメントへと発展させることで、コンテンツIPの価値を広げることを探求している。
ブースでは、高精細な映像や立体音響、におい提示技術などが連動する空間において、サスペンスアクションアドベンチャーゲーム「The Last of Us」をコンセプトとした没入感のある未来のエンタテインメント体験の実証実験を行う。