「年末年始で洗脳が解けました」退職代行の依頼が昨年比5倍以上で過去最多…利用者が明かした“ギブアップ”のワケ

仲良かった先輩とも絶縁状態に

5年間勤めあげ、職場の人とそれなりの関係を築いていた中での退職代行。ためらいなどはなかったのだろうか。

「お世話になった一部の先輩になんの挨拶もしないでやめたことは少し心残りです。退職後も昔の会社の人とつながりがある人を見ると、自分も自らの口で言えば、送別会でも開いてもらって、いい感じに円満退社できたのかもと思います。

退職後は、たぶん向こうも気をつかってくれているのでしょう、仲がよかった先輩からも一切連絡が来ません。まあ、自分からも連絡していませんが。終わり際の選択一つで、5年間で培った人間関係を一瞬にして壊してしまった気分です」

それでも松木さんは、「このサービスがなければ、ずっとやめられなかったでしょうから」と、退職代行を利用したこと自体に後悔はないと話す。今は契約社員として、別の映像制作会社で自分のペースで働いているそうだ。

退職代行サービスを利用した先に、明るい未来が待ち受けていることを願うばかりだ。

取材・文/集英社オンライン編集部