motorsport.comが2024年7月に明かしていた通り、メルセデスF1は2025年からドイツの大手スポーツウェアブランドであるアディダスと提携を結んだことを発表した。
アディダスとメルセデスの公式パートナー契約は複数年に渡り、ドライバーやメカニック、エンジニアを含むチーム全体にキットを供給することとなる。またアパレルやシューズ、アクセサリーなどはチーム公式グッズとしてファンにも展開されるとのことだ。そして年間を通して限定商品もいくつか発売されることも明かされた。
2024年のオーストリアGPで目撃された、2025年用チームシャツの試作品では、肩の部分にアディダスを象徴するスリーストライプスがあしらわれているのが目撃されており、アディダスのビヨン・グルデンCEOも2025年のウェアにそうしたデザインが施されることを示唆した。
グルデンCEOは、メルセデスとのパートナーシップ締結を受けて次のようにコメントを寄せた。
「モータースポーツの世界に戻って来ることができて、とても嬉しく思っている。モータースポーツ全般、特にF1への関心は非常に高まっている。モータースポーツは新しい消費者にも浸透しており、スポーツやストリートカルチャーに大きな影響を与えている」
「史上最も成功したチームのひとつであるメルセデスAMGペトロナスF1チームの公式チームパートナーとして、スリーストライプスをF1に持ち込むことができて非常に誇りに思う」
「我々はスピード、革新、パフォーマンスへの情熱という要素を共に持っている。ドライバーとチームをサポートし、サーキットでの限界に挑戦する。サーキットの外では、エキサイティングなライフスタイル商品を紹介し、新世代のファンへのリーチを広げることで、このスポーツに新鮮な視点をもたらしていく」
「メルセデスAMGペトロナスF1をサポートし、共に勝利することを楽しみにしている」
またメルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ウルフは、次のように語った。
「アディダスとのパートナーシップは、チームとして次の章を書き始めるにあたっての明確な意思表示だ。アディダスは象徴的なブランドであり、最高のパフォーマンスだけでなく、スタイルや洗練されたモノへのこだわりという要素も共有している。したがって今回の発表は、我々のスポーツにおけるチームウェアとファンウェアの意味を再定義する画期的なコラボレーションを意味している」
「我々はこの新境地を開拓し、アディダスと協力しながら一丸となって世界チャンピオンを目指して戦えることにワクワクしている」
2024年シーズンまでメルセデスのウェアパートナーを務めたトミーフィルフィガーは、ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍に際してチームパートナーから外れ、アディダスがそれに取って代わる形となった。
アメリカを中心とした世界的なF1人気の高まりを受け、近年ではファッション業界からの参入が相次ぎ、F1のオーナー企業であるリバティ・メディアと1000億円規模の10年契約を結んだLVMH傘下のタグ・ホイヤーが公式タイムキーパーに就任することが発表されたばかりだ。
一方でアディダスは、サッカー・ドイツ代表チームへの象徴的なユニフォーム供給契約を失い、2027年からライバルのナイキにその座を奪われることとなっており、それに変わる注目度の高いコラボレーション先としてF1、そしてメルセデスを選んだという背景のようだ。
なおアディダスは、サッカー・日本代表の公式サプライヤーも務めている。