1月7日に横浜FCが始動。同日は、FC町田ゼルビアから完全移籍で加入した鈴木準弥の誕生日で、クラブの公式Xは、ボールを両手で抱える鈴木の写真を添え、「お誕生日おめでとう。素敵な1年になりますように」とポストした。
29歳になったDFはこの投稿を自身のSNSで引用し、「ありがとうございます」と伝え、「でも、僕の写真って手でボール持ってる写真ばっかりじゃないですかー?(笑)」と綴る。
正確なキックと献身性が魅力の鈴木は、ロングスローも武器とする。現在開催されている高校サッカー選手権でも話題を集める“飛び道具”について訊けば、「使い方によっては、すごく脅威だと思います」と答える。
「町田でもそうですし、僕はブラウブリッツ秋田の時からロングスローを投げていますけど、やっぱり相手は本当に嫌だと思いますね。いろんな意見はありますけど、でも勝つためにとか、点を取るための手段、戦術としては大きい。
ほぼセットプレーみたいな感じなので。コーナーキック、フリーキックを蹴る感覚と一緒で、(ゴールに近い場所で)スローインになったらチャンスだよねって。相手からすればそれがあるだけで、準備しなければいけないし。やるか、やらないかは別として、1つ大きな武器なのかなと思います。選手権を見ていてもそうですし」
実体験として、ロングスローがどれだけ相手にプレッシャーを与えるかを知っている。
「試合が終わってから知り合いの選手に聞いても、『あれは嫌だよ』とか言われます。町田で言えば、(ミッチェル・)デュークや(オ・)セフンがいたり、横浜FCなら(櫻川)ソロモンや(鈴木)武蔵君がいたりするなかで、やっぱり何が起こるか分からない。僕は逆にディフェンスなので、投げられた時に処理しづらいと思う。それでコーナーキックを取れてもいいし、またロングスローになってもいい」
【動画】ボールはグングン伸びてゴール前に! 西森吏玖のハンドスプリングロングスロー
決定機につながる可能性は小さくない。それだけに相手も守備に人数を割くことになり、メンタル的にもダメージをもたらすことも。
「基本的には、全員戻ってこないといけないので、フォワードからしてもけっこう嫌がっていますよね、外国人のフォワードとか。僕たちがセットして、センターバックも上がってくるから。(相手の)フォワードも守備で戻ってこないといけない。精神的に『また戻んなきゃいけないのかよ』って。でも、そこでやらなかったりとかもある。そこは駆け引きですよね」
キックやトラップ、ドリブル、スピードと同じように、ロングスローも1つの武器になりえる。鈴木は「投げられるにこしたことはない」ときっぱり。ゴール前や自陣からの陣地挽回だけではないアプローチにも言及する。
「クイックで、相手のディフェンスが準備する前に。フォワードがダイアゴナルに走ったのに対して投げられれば、一発のキックで背後を取るのと一緒。だから手段として、僕はいろんな使い方があると思います」
新天地の横浜FCでも「タイミングがあれば、ぜひ投げられればなと思っています」という鈴木。ちなみに、選手権では「ハンドスプリングとか、凄いですよね」と、高知の西森吏玖が繰り出した“大技”が印象に残っていると話してくれた。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)
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