店舗整理は復権に繋がる?(画像はAIで生成したイメージ)

衣料品チェーン店・Right-on(ライトオン)が閉店ラッシュに見舞われている。1月6日に最新版のIR情報が公開されたのだが、その内容は悲惨だった。

公開された「月次売上高前年比情報に関するお知らせ」によると、12月度の全社売上高前年同月比は78.9%。前年同月比の全社客数は66%で、3分の1も遠のいた。

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資料には9月度までのデータも掲載されており、9月度売上高は81.5%、10月度は69.3%、11月度は77.9%と、いずれも前年から2~3割も減らしている。 

「客単価は9月度から一貫して前年を上回り、12月度全社客単価は上期最高の119.6%を記録している。しかし、ライトオンは2019年8月期から、6期連続の赤字決算。2024年8月期の売上高は前期比17.3%減の388億800万円で、営業損失は50億円。赤字は121億4200万円にのぼった」(社会部記者) 

こうした情勢に鑑み、ライトオンが株式公開買い付け(TOB)に応じたのは、昨年10月のことだった。 

「買収元は、タケオキクチなどで知られるアパレル大手のワールド社。現在は新たな運営の下で“整理”として閉店ラッシュを進めている」(同) 

ライトオンは今月13日の滋賀県草津市エイスクエア店らの閉店を皮切りに、26日には秋田県大仙市のイオンモール大曲店らが閉店する。 

さらに、2月16日には埼玉県熊谷市の熊谷ニットーモール店、24日には、さいたま市のイオンモール浦和美園店、大阪府枚方市のファーストレーベルくずはモール店、兵庫県姫路市の姫路花田店、東京都立川市の立川パークアベニュー店などが一斉に閉店予定だ。 

ユニクロ、GU、TEMU、アリエク…再起の前に立ちはだかるライバルたち 

全国の閉店店舗数は、2025年1月だけで10店舗以上で、2月は60店舗近くにまで爆増する。果たして、ライトオンが再起を図ることはできるのか。 

「ライトオンの顧客は他のアパレル店に流れており、大きな路線変更がないと厳しいかもしれません。ファストファッション路線ではGUが安価でオシャレなアイテムを揃えているし、店舗数も多い。近年はTEMU、AliExpress、SHEINなど、さらに安価なネット通販も普及しています。しまむらやワークマンのような路線はアイデアやひらめきが求められる」(ファッション誌編集) 

かつて栄華を誇ったライトオンは、なぜここまで客足が遠のいたのだろうか。 

「ライトオンのようなジーンズカジュアル専門店の“旬”が過ぎた…という他ないでしょう。かつてライトオンで買い物をしていた層は、ユニクロへ流れていきました。さらに服のシルエットのトレンドが変わり、若者のデニムパンツ離れが加速。若年層でもデニムパンツを買うならば、古着を選ぶようになりました」(同) 

各アパレルのブランド力が強化される一方で、ブランドに興味のない層は安価な服を求めているのが現状だろう。 

旗艦店のライトオン池袋店は昨年9月にリニューアルし、2階にライトオン初となるLevi’s(R)、EDWIN、SOMETHING、G-STARのショップインショップを開設。また、1月6日からセサミストリートとのコラボアイテムを発売するなど、再起を図っている。